諦めも大事
リケサまでは馬車だと3日ほどかかる距離らしい。街道が整備されているので迷うこともないだろと思いながら歩いていると、
「このままポテポテと歩いて行くのか?」ココが聞いてくる。
「たまにはゆっくり行くのもいいんじゃないかなぁ」と答えると、
「それではつまらん。魔物も出てこぬし、採取も無しとあっては時間が無駄ではないか」と鼻息荒く言う。
「うーん、時間の無駄かぁ。『無駄』にはならないと思うんだけどな・・・」と言い、つき抜けるような青空を見上げる。(まぁ、僕がそう思うだけかもしれないけどね。ゆっくり歩いてないと周りを見て季節や天気の移り変わりを感じることなんてできないんだよね・・・)
「おいらは大丈夫にゃけど、退屈にはなるにゃ」とラング。
リューはと言うと、飛びながらあっちにフラフラ、こっちにフラフラとウロウロしながら飛んでいるので暇ではなさそうだった。
「回り道になるのは困るけど、何か良いところがありそうだったら狩りか採取でもする?」となにげなく言うと、
「それは良い考えじゃ」と速攻乗ってくるココ。「ちょっと探索でもするか」とやる気満々で耳をピコピコさせる。(街を出たので、天狐の姿になっている。ので、三角の狐耳がピコピコしていた)
「うむ、あっちに気配が・・」とココが言うのとほぼ同時に、前方から「わーわー」と賑やかな声が聞こえてきた。
鼻をヒクヒクさせたラングが「何か魔物と人間が戦っているようにゃ」と言う。
ラングの話を聞いて僕が返事をするより先に「行くよー」と飛んでいくリュー。
「ちょっと待てよ」と焦る僕。
(お前が一番に行ったら問題にしかならない!)
止める間もなく行ってしまったので、慌てて後を追う。
「抜け駆けはずるいではないか」と怒るココ。(いや、そんなに張り切らなくても・・・・。悪い予感しかしないのは何故だろう・・・・)
肩を落として後を追う僕に「諦めも大事にゃ」と慰めるラング。
過剰防衛になりそうな戦力で「大丈夫ですか!助太刀します!」と戦闘に加わる。
魔物に狙われたのは商人の隊列らしく、護衛の姿も見られるが苦戦しているようだった。
相手の魔物はと言うとかなり大きい蛇だった。
「《鑑定》」と魔物の情報を調べる。
《フォレストヴァイパー・・・森に生息する毒蛇。神経を麻痺させる毒で相手を動けなくして丸のみにする。普段は森の奥にいるが繁殖期は行動範囲が広がり攻撃的になる》
「フォレストヴァイパー・・・。こんなに大きいのか」とつぶやくと、
「これはかなりの大きさにゃ。砂漠にでるサンドヴァイパーでもこんな大きさのはめったに見ないにゃ」とラング。
護衛の冒険者たちも善戦しているが魔物の大きさにかなり苦戦をしていた。
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