思ってたより美味しいよね
「綺麗な青色・・・・」とラングの手に収まっている物を『はぁ』と見つめる。
「それは『藍銅鉱じゃな』
「藍銅鉱?宝石?」とココに尋ねる。
「宝石にもなるが、これは絵描きが欲しがる岩絵具じゃ。この石から取れる群青色は高級品じゃがたいそう人気のはずじゃ」
「ココって詳しいんだねぇ」と感心して言うと、
「だてに長く生きとらんわい」と照れたように横を向く。(わかりやすいな。相変わらず)
ココに教えてもらったものの、一応鑑定をしてみる。
《鑑定 藍銅鉱。品質は上。時間の経過とともに、緑色の孔雀石に変化することがあります。まれに、最初から孔雀石と混合した状態の物もあり、それは「アズロマラカイト」と呼ばれます。産出が少ない為高級品として高値で取引されます》
「おぉ、ふらっと見つけた割にいいものだな。他にはないかなぁ・・・・」と周りを見回す。
キョロキョロしている僕に「探知を使えばよいだろう」ともっともな指摘をするココ。
「そっか」と今更ながらに気づき、『探知』を発動させる。
・・・・・・あそこに反応がある。「ラング、お願い」とラングに声をかける。
「おいらはツルハシじゃないにゃよ」と文句を言いながらも掘ってくれる優しいラング。
「ありがとう。それが掘れたらおやつにしよう」と声をかけると「ホントにゃ?よーしやるにゃー」と返事をしながら『バババババッ』と土を掘り返していく。
あまりの勢いに「大丈夫?手痛くない?」と聞いてしまう。
「大丈夫。おやつのためにゃーーーーー!」と土煙をあげる。
(これはおやつを奮発しないとだな。何があったかな・・・・)と考えながらマジックバッグをガサガサ探す。
出てきたのは、パンとバターと餡子。
『パンにバターと餡子を塗って食べると絶品ですよ』とマジックバッグからのお知らせが頭に浮かぶ。
「餡子とバター・・・・・。美味しい・・・のかなぁ」とつぶやく僕の横で、
「掘れたー!」と嬉しそうな声が飛ぶ。ラングを見ると、先ほどと同じくらいの大きさの青い石があった。
「はい、コータ」とウサギの様に飛び跳ねながら持ってくるラングをちょっと可愛いと思ってしまった。
「ありがとう、ラング。これもずいぶん大きいね。街で買い取ってもらったらご褒美を買いに行こう」とフワフワの頭をなでる。
「やったにゃー」と髭をヒクヒクさせて喜ぶラングに、「頑張ったおやつね。はい」とパンを渡す。
「・・・・・コータ、これ・・・・」とパンを見つめ「黒いにゃ・・・・」とつぶやく。
(うん、僕もそう思う)「美味しいから食べてみてよ」と勧めると、もう一度じっと見て一口かじる。
・・・・・・『キラーン!』「コータ、これ!」とはしゃぐラングに「うん、思ってたより美味しいよね」と僕。
好みはいろいろあると思いますが、餡子マーガリンのパンが大好きです。
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頑張って書きます!




