土の山ができた訳
結晶を手に取り「これが燐灰石なんだって」とラング達に見せる。
「キラキラしてて綺麗だにゃ」「キラキラー」「ふむこれが燐灰石か」とまじまじと見る。
(リューはキラキラが好きだったな)「リュー、今取れたのは技工士ギルドに納入するからダメだけど、次に取れたらペンダントでも作ってやるぞ。頑張ったしな」と久しぶりに頭をガシガシなでてやる。
褒められた上にキラキラがもらえると知り「よーし、まだやるー」とやる気満々。
「リューだけご褒美があるのはずるいではないか。童も倒したら貰えるかのぉ?」と上目遣いに見てくるココ。
(やめてくれ。ちょっと可愛いって思っちゃったけど、僕よりずっと年上・・・・ゲフン、ゲフン・・・)
「おいらにもできるかにゃ。みんなでおそろいが欲しいにゃ」とラングまでがはりきりだした。
「え、いや、何もそこまで・・・ね」という僕のつぶやきは全く無視され、
「あっちの方から気配を感じる。行くぞ皆の者!」「「おー!」」と良く分からない連帯感が生まれていた。
(まぁ技工士ギルドに追加で納入してもいいし、僕も錬金で試してみたいかも)ということで、岩がゴロゴロして歩きにくい山道を進む。
「これ、地味に疲れる・・・」ここまで岩がある山道だと思っていなくていつもの靴で来た僕。3人は何も気にせず歩いているが、大小様々な石に足を取られながら歩くのは想像以上に大変だった。
「はぁ」と立ち止まり背伸びをして水を飲む。何気なく足元を見ると綺麗な青い色の石が埋まっていた。
「綺麗な色だな」と掘り返そうとして「しまった!あんなに言われてたのにつるはしを忘れた!」とここまで来て自分のミスに気付く。
(せっかく教えてもらったのに忘れてた・・・。そうだよね、採掘の依頼だもんね。つるはし要るよね・・・)『ガーン・・・』と俯いていると、
「何じゃ?何を止まっておる」とココ。
「いやぁ、ここに綺麗な石が埋まってて掘り返したいんだけど、つるはしを忘れちゃったな・・・って思って」と正直に言う。
「そんなことか。埋まっておるものは掘り返せばよかろう」としごく真っ当な事を言うココに、「僕の手じゃ無理だよ」と答えると「じゃあおいらの出番にゃ」とラング。
「ラング?」と訝しげに見ると『ビッグケットシー』と唱え大きくなる。前足の爪を『ジャキン』と出して、「そぉれ」と勢いよくシャベルの様に土を掘る。
(そっか、ネコってトイレした後に土を掘って隠してる。そういうことか・・・)
僕の想像というか『実際そう見えるよね』という考えが伝わったのか「バカにしてるにゃ?」とジト目で見てくるラング。
「そ、そんな、そんなことないよ。凄いなラングは」と褒める。
「怪しいにゃ・・・・」と僕を見ながらも土を掘る手は休めない。しばらく掘って「取れたにゃー」と嬉しそうに石を見せる。石の横には掘り返した土が良く見る山になっていた。(粗相はしていません・・よ)
掘りだしたのは、ビッグケットシーの手でも時間がかかったのが分かるくらい大きくて青い石だった。
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