炎と水と雷で
振り下ろされた拳が炎に包まれる。動きを止めるわけでもなく拳を振り回し続けるゴーレム。あまりダメージを受けている様子はない。かえって炎の拳になることでリューへのダメージの方がありそうだ。
「リュー大丈夫か!」と焦る僕に「こんなの当たらなきゃなんともないよー」とのんきな声が返ってきた。
「よし、次に水じゃ。あの拳めがけて撃て」とココ。
「わかったー」と振り回される拳を避けながら『スプラッシュ』と唱える。
大量の水の波がゴーレムを飲み込む。「手だけを狙うのは無理―」とリュー。
「予想以上の威力じゃのぉ」と小声でつぶやくココ。(しっかり聞こえてるけどね・・・)
燃える拳(というかゴーレム全身)に水が押し寄せ炎が消えた。アイアンゴーレムはかなり重く巨体の為、押し寄せる水にも負けず仁王立ちのままだ。火が消えたことを確認したココが「次は雷じゃ!」と一言。
「わかったー。『ライトニング』」と辺り一面眩しくなるほどの雷がゴーレムを撃つ。あまりの眩しさに僕も一瞬目を閉じてしまう。眩しさが治まった頃に目を開けると、ゴーレムは変わらず仁王立ちのままだった。
「何にも変わらないじゃないか」とココを見ると、
「まぁ、待っておれ」とニヤッと口の端をあげて笑う。(いや、怖いから・・・・さ)
ココに言われてゴーレムを見る。確かに攻撃が止み仁王立ちのままだ。
(どうなったんだ?)と見ていると、
『ピキッ・・・・・ピキッ・・・・』と何やら音が響く。
『ゴト・・・・』とゴーレムの拳が初めに落ちた。
『ドスン』続いてゴーレムの膝が崩れ落ちた。
『ドドン・・・・』ゴーレムの体が倒れていった。
「え?何?何で?」と突然の事に驚く僕。
「火で燃やされ熱くなったところを水で急激に冷やされる。そこに雷の衝撃じゃ。水で濡れたところに雷はよく効くぞ」とニヤニヤが止まらないココ。
(一番怖い人がここにいました。・・・はい)
倒されたゴーレムに近づいていくと、黄色や青に輝く透明な結晶があった。手に取り鑑定をする。
《鑑定 上質な燐灰石・・・・私たちの骨や歯の主な成分を含んでおり、人工の骨の開発にもつながります。もしもの時は骨の替りにはなりますが、自分の体は大事にしましょう》
(ごもっともです・・・)何はともあれ、これで技工士ギルドの依頼に応えることができそうだ。
つるはしを用意し忘れていました・・・・・。でも、これで大丈夫・・・かな。
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頑張って書きます!




