納品と熱い抱擁
「まぁ。これは予想以上ねぇ」と目を丸くして驚くベネディクト。「ねぇコータちゃん。この街に定住しない?いいお家があるわよ」と誘われる。
(その家ってまさか)「・・・僕はおじいちゃんに会いに行くっていう旅の途中なので・・・・」とやんわりと断る。
「それは残念だわ。こんなに良品ばかり納品してくれる冒険者なんていないのよねぇ(しかも可愛い♡)」
ベネディクトの視線になぜか寒気を感じて身震いする。
「じゃあ、査定してくるからちょっと待ってねー」とクネクネしながらカウンターの奥に消えていく。
ベネディクトの後姿を見ながら「腹が減った。飯屋も良いが市場の話をしていたら屋台を食いたくなってきたぞ」とココ。
「いいねー。肉串―」とリュー。
「お主は肉串ばかりではないか。他にももっとあるだろう」とと呆れるココ。
「何か珍しい物があれば食べたいにゃ」と話に加わるラング。
「わかったよ。僕も市場は気になるし、いろいろ買い物もしたいから夕飯は市場で食べよう」と答えると、
「やったー」「おぉ、何にしようかのぉ」「何があるかにゃー」と喜ぶ3人。
「いろいろ見るのは良いけど大人しくしてろよ」と気持ちだけ伝えておく。(聞いてるかどうかは別だけど・・・)
しばらくしてベネディクトが戻ってきた。
「予想通り全部品質がよかったわ。あなたホントに規格外ねぇ」と褒めてるのか貶してるのか分からない表現で言う。
「はぁ・・・・」と答えると、
「バカねぇ。褒めてるのよ」と僕の肩をバシバシ叩いてくる。
(痛い!っていうか今のは褒めてるのか?)
「じゃあ金額を言うわね。マジックミラーの欠片は3塊で普通だったら金貨60枚の所を金貨66枚。ピンクペッパーとブラックペッパーはそれぞれ1袋金貨1枚の所を4袋で金貨8枚。マスタードは小瓶1本銀貨8枚の所を金貨2枚と銀貨3枚。合計で金貨76枚と銀貨3枚ね。むき出しで置いちゃうと目立つから袋に入れておいたわよ」とウインクして渡してくるベネディクト。
「あ、ありがとうございます。助かります」とウインクに(ひぃっ)と引きながらも周りへの配慮に感謝する。
そのままマジックバッグ(ばれてないけど)に入れようとする僕に「確かめなくていいの?」と聞いてくる。
「せっかく周りを気にしてくれたのにここで出したら一緒ですよね。『間違いはない』って思ってますから」と言うと、
「ホントにいい子ね」と再び熱い抱擁をされる。
(うへぇ。間違いじゃないけど間違った気がする・・・・・)報酬を受け取りベネディクトからべりっと離れてギルドを後にする。
☆☆☆☆☆に
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頑張って書きます!




