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半分こ

今日は少し長めです。

「わかったー」と一番右のイリュージュベアに『ライトニング』と唱え雷を落とす。雷にうたれたイリュージュベアはなすすべもなく『ドウッ』と倒れた。

(そんなのもできるのか・・・・・)「すごいなリュー」と声をかけると「へへー」と得意顔で宙返りを見せる。


「ふん、童も一発じゃ」と負けず嫌いのココ。爪を『ジャキッ』と出して片手を振り上げたかと思うと妖力を纏わせ勢いよく振りぬく。


一頭倒されたことで怒りモードになりこちらに向かって走ってきていたイリュージュベアが、一瞬で肉塊になる…。


(うっぷ・・・・。ちょっとこれは・・・・・・)と無言で横に視線をずらす。

『どうじゃ』といわんばかりに後ろの僕を振り返ってみるココ。

「すごいな(いろんな意味で)・・・」と言うと「童にかかればこんなものよ」と胸を張って答える。


そんな僕たちの様子をチラリと見て「なかなかやるじゃないか」とアレクサ。

「いくよ、ムーン」と2人で駆けだす。他の冒険者の戦いぶりをあまり見たことが無いのでじっと見つめる。


ムーンがイリュージュベアに嚙みついたり引っかいたりして気を引き、背中を向けたところでアレクサが切りかかる。無理に深追いはせずお互いの呼吸を合わせて一定の距離を保ちながら戦う姿を見て「僕は本当に皆に助けてもらってたんだね。僕も戦えるように頑張らなきゃ」とつぶやく。


「童たちは好きで戦っておるし、お主に付いて行っておるのじゃ。気にせんでよい。でも、お主が強くなりたいと思うのであれば協力はするぞ」とココ。

「一緒に強くなるにゃ。おいらもまだまだ強くなりたいにゃ」とラング。

「コータ、好きー。守るー」とリュー。


(みんな、ありがとう)


アレクサ&ムーンとイリュージュベアの戦いもそれほど時間はかからなかった。最後にアレクサがイリュージュベアに剣を突き立て勝利する。

『はぁはぁ』と息を荒げながら「勝った」とアレクサ。そのまま地面に膝をつく。


慌てて駆け寄り「大丈夫?」と声をかける。

「あぁ、爪でやられてしまったけど何とか倒せた。君たちはすごいな」とわき腹を押さえる。

見ると爪でえぐられたように血が流れていた。


「ひどい怪我・・・。ちょっと待って」と急いでバッグの中を探り中級ポーション+を出す。

「これ、飲んで。たぶん治るから」とアレクサに渡す。

「ひょっとしてポーションかい?そんな高いのもらえないよ」と少し荒くなった息をしながら答える。

「もらったんだ。今の僕には必要ないから使って」と無理やり手に握らせる。


「・・・・・ありがとう」と受け取るアレクサ。そのまま飲むかと思うと「ムーン。おいで」と従魔を呼ぶ。見るとムーンウルフも体のあちこちに血が滲んでいた。

「まだ月も出ない時間だからね。ホントの力の半分も出せないんだ」と優しく顔をなでる。

ムーンウルフも血をにじませながら『クゥーン』とアレクサにすり寄る。


「半分こだ。お前も飲んで」と側にあった大きな葉っぱをもぎる。それを皿代わりにしてポーションを注ぐ。

(半分って言いながらアレクサには少ししか残ってないじゃないか)

ムーンウルフもそれが分かっているのか、アレクサの顔を見て飲もうとしない。


「いいんだ。さぁ、飲んで」ともう一度言う。

『クゥーン』と鳴いてポーションを舐める。舐めていくにつれ体の傷が癒え毛艶も良くなる。

(よかった・・・)と安心してため息をつく僕に、「これって・・・」と効果に驚くアレクサ。


「貰ったものだけど、効果があって良かったよ」ととぼけて言う僕。

そんな僕の顔をじぃっと見て「ありがとう」とだけ言い残りを飲み干す。アレクサのわき腹も魔法のように傷がふさがる。(少量でも効果が高そうなポーションを選んで良かった)

「・・・・・・・・・・」と自分のわき腹を見つめて僕を見る。


「無事でよかった。さぁ帰ろう」と話を変える僕に『はぁっ』とため息で答え、「無事・・・か。そうだな・・・」と空を見上げるアレクサ。


時間も遅くなったから野宿をするかというアレクサに対し、ラングが変身してアレクサを乗せれば今日中に帰れるよという僕の提案に再び驚くアレクサ。

「何でもありだな・・・・」のつぶやきは聞こえなかったことにして皆で街まで戻る。


☆☆☆☆☆に

ポイントしてもらえると嬉しいです。

頑張って書きます!

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