リューの腕前
大きさはラングと同じくらい。昔の人が槍の先に付けていた石のような上下が尖った形をしている。
色は水晶みたいにやや不透明、中央部分に魔石らしき影が見える。
もっとよく観察しようと見ていると、姿がどんどん薄くなり見えなくなった。
「あれ?」とつぶやくと、「おいらの歌の効果が薄れてきたにゃ。こんなに早く効果が切れるとは、やっぱりレアな魔物にゃね」と感心したように言うラング。
「見えなくなっちゃった。どうやって倒す?」とココに聞く。
「どうやって倒すかじゃとそんなの決まっておるわ。気配はそのままのようじゃな、いなくなる前に決めるとするか」とリューを見る。
「リュー。お主の石頭であそこにぶつかっていけ」
(え?そんな攻撃?)
「思い切り行っていいのー?」と呑気なリュー。
(いや、そこはもっとドラゴンの威厳ある技があるだろう・・・・・)
「おぉ、行ってよいぞ。岩にぶつかるなよ。洞窟が崩れる」と最後に恐ろしい事を付け加える。
「え?洞窟が崩れる?」と思わず聞き返してしまう。
「イリュージュベアと互角のリューの突撃だぞ。逸れて壁に行ったら崩れるやもしれぬ」
「いやいや、『しれぬ』じゃなくてさ。そうなったらどうするんだよ。何にも考えてないぞリューは」と少し焦りながら言う。
「起きてもいないことを心配してもしょうがあるまい。ここはリューの腕を見ておれ」
(腕じゃなくて頭だけどね・・・・はぁ。どうなっても知らないぞ・・・・)
「よーし、行くよー」と後ろにバックして勢いをつけるリュー。
無駄だと思いながらも「ちゃんと狙えよ」と言ってしまう。
「それーーーーーー!」と突進していく。(えっ、そんな勢いで行く)と焦ったのは僕だけではなかった。
「そこまでせんでも良いじゃろう」と体が前のめりになるココ。
(だから言ったのに・・・・)
『ドゴーン!!!!』という轟音と共に地震のように揺れる。
(やばい)と思ったのと同時にココが防御の壁を展開する。
・・・・・・・・・。僕たちの心配をよそに「できたー」と嬉しそうなリューの声。
揺れが落ち着き洞窟も崩れていない事に安心する。リューが飛び込んだ先を見ると、なんとそこには大きな穴が開いていた。
(洞窟の壁って穴が開くの?)
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