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風呂屋でアピール

ロンドが追加で焼いてくれたステーキを食べて、目が飛び出るかと思った。

「柔らかい!でもしつこくない。いくらでも食べられそうだ。添えられてるマツキノコもこんがり焼けた肉の香りに乗っかるようにほわっと香りが抜けていく。これは旨いな!」

「ねー。すっごく美味しかったよ。だからー」と美味しかったアピールをしながら僕のお皿を見るリューの事は見ないふりをした。


「あー、美味しかった。ロンドはやっぱり腕がいいなぁ」とつぶやくと、聞こえていた様子で

「ありがとな。お前が持ってきた食材もよかったぜ」という返事が返ってきた。

ロンドに礼を言って席に戻り、冷めてしまったが残りの夕飯を食べる。コケッコの肉も美味しいがやはり先ほど食べた肉の旨さにはどうしても負けてしまう。

リューと一緒に残りを食べ、部屋に戻る。


『クリーン』の魔法できれいになったとはいえ、一日頑張って強張った体をほぐしたいなと思い、宿からほど近い風呂屋に行くことにした。

そこの風呂屋は『小型の従魔なら同伴可』となっている。ドラゴンとはいえ、まだ子どもサイズなのでリューも入れるだろうと思っていた。


が、リューの鑑札をまだ貰っていないことをすっかり忘れていた。

受付に向かうと「従魔証明の鑑札はついているか?」と聞かれてしまった。

「えっと、明日もらうことになっているんです。鑑札が無いとだめですか?」

「一応決まりだからねぇ。しかもドラゴンだろ。何かあったら困るんだよね」

意外に風呂に入るのを楽しみにしていたリューが、目をうるうるさせながら上目遣いで受付の人を見つめる。


「うっ、そんな目で見るなよ・・・・・。しかたないなぁ、何かあったらお前が責任とれよ。従魔と二人分で銀貨1枚な」早くいけと言わんばかりにシッシと手を振られ、「次の人―」と追い払われる。


「リューお前意外に上手いな。けど、あんまりいろんなとこでやるなよ」と声をかけると

「(なんのこと?)」と言わんばかりにそっぽを向くリュー。(まったく・・・・)

「せっかく入れてくれたんだから、おとなしくしてろよ。僕はゆっくり湯につかりたいんだ」

服を脱ぐ場所に行き、籠に入れてから湯に向かう。扉を開けると『むわっ』と湯気で視界がふさがれる。

備え付けの石鹸はあまりいいものではなかったが、久しぶりにすっきり生まれ変わった気がする。

泡だらけの僕を見て興味津々のリュー。

「石鹸で洗っても大丈夫か?」と聞くと「ぶくぶく 楽しい?」とリュー。

「あぁ、安物だがいい匂いで気持ちいいぞ」と答えると、洗ってほしいアピールをしてくる。


石鹸をこすりつけるとおろし金ですったようになってしまうので、手で泡立ててから泡をつけてやる。

「うわー、ぶくぶくー。いいにおいー」とご満悦のリュー。あまりのご機嫌に入れてもらえてよかったなと思った。

ゆっくり湯につかり疲れをいやした後は、リューを入れてくれた受付の人に礼を言って、風呂屋を出て宿に帰った。


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