三色キノコ?
強い敵に会うはずなのに、ゆるキャラのような魔物に出会いました。
癒しは大事です・・・よね。
真っ暗だった洞窟の中が『ボウッ』と明るくなる。眩しいほどではなく、歩くには困らない程度の明るさだった。
「これなら行けるかな」と歩いていると、「ほれ、来たぞ」とココ。
立ち止まって奥の方に目を凝らしていると、『ポヨンユラユラ』と魔物が近づいて来た。
「何だ?」と見ていると、いきなり「ブシュ」っと液体を飛ばしてきた。
「うわッと!」と後ろに飛んで避ける。避けた先に今度は「ププププ・・」と何かが飛んできた。「おっと」と次は横に飛んで避ける。
(なんだこいつ)と思っていると『ピコーン』とお知らせが・・・。
《名前は『トリプルマッシュ』。レッド・ブラック・イエローのマッシュルームが合体した魔物。日があまり当たらないジメジメした所に生息してます。攻撃力は大したことがありませんが、イエローマッシュが飛ばしてくるマスタードの液体は目に入るととても危険で悶え苦しみます。レッドが飛ばすピンクペッパー、ブラックが飛ばすブラックペッパーは食材としてかなり価値があります。出会ったらぜひ採取しましょう》
「・・・・・・・・・」と僕が無言で3段キノコを見ていると、
「何かわかったにゃ?」とラングが聞いてくる。
「うーん、価値のある食材らしい」とそのまま伝えると、
「食材・・・キノコにゃ?」と頭の上に『?』が浮かんでいるかのように腕組みをして首をかしげる。
(うん。僕もそう思う。どう見ても三色キノコだよね・・・・)
「キノコが採れるんじゃないらしい。とりあえず、適当に避けて飛ばしてくる種?みたいなのを拾って行こう」と提案する。
「倒さないのー?」とリューが不思議そうに言う。
「飛ばしてくるものに価値があるんだって。とりあえずこの一体でどれくらい取れるかやってみたいかな」
「わかったー」とトリプルマッシュの周りをフラフラ飛び回る。
蚊のように飛び回るリューを鬱陶しそうに見て攻撃をしてくる。しばらくすると種切れになったのか、攻撃が止み周りにはたくさんの種が落ちていた。
「そろそろいいかな」と僕が言うと、「それじゃあ、最後ねー」とリューが『ファイアボール』を撃つ。
トリプルマッシュは炎に包まれこんがり焼けて倒れる。
「良い匂いー」と近づいていくリュー。
「えっ?」と慌てる僕。
珍しく大人しくしていたココが「ふむ、童も食べたみたいの」と2人して舌なめずりをしながら近づいていく。
「どうなっても知らないぞ、魔物なんだからな」と声をかける。
「童には毒や混乱など状態異常になるものは効かん。ちょっと味見してみるだけじゃ」と聞く耳が無い。
クンクンと匂いを嗅いで遠慮なく『パクッ』と食べる。
☆☆☆☆☆に
ポイントしてもらえると嬉しいです。頑張って書きます!




