素直に言えばいいのに
夜明け亭に戻り荷物を置いて、風呂屋に行く。
今回はココが天狐の姿になり皆で従魔の風呂に入ることになった。(前回一人で寂しかったのかな・・・)
「別に童は一人でも良かったのだが、お主たちを放っておくと何をやらかすか分からんからな」と鼻を膨らませ斜め上を見ながら言う。
「素直に皆と入りたいって言えばいいにゃ」とラングが言うと、
「そ、そ、そんなことは言っておらん」と頬を赤くする。(ごまかしきれてないし・・・・)
「まぁまぁ、みんなで入った方が出る時に気にしなくていいよね」と僕が言うと、
「そうじゃそうじゃ。童もそう思うのじゃ」と話を合わせてくる。
今回は僕一人と従魔が3人だったが料金は同じ銀貨1枚と銅貨6枚だった。
よくよく聞いてみると、あまりに大きい従魔だと追加料金がかかるらしい。
湯船につかりながら「今日はアレクサいないのかな」とつぶやく。
「アレクサとは誰じゃ?」と耳の良いココが聞いてくる。
「前にここで会ったんだ。ムーンウルフを連れてる僕と同じくらいの男の子」
「ムーンウルフじゃと」と驚いた様子のココ。
「うん、銀色に輝く毛並みが綺麗だったよ」と凛々しいいでたちを思い出しながら答えると、
少し考えるように俯き「次に会うことがあったら、気をつけた方が良いかもしれんぞ」と言う。
「何で?」
「子どもの事は知らんが、ムーンウルフは通常の従魔とは違う。気にしすぎかもしれんがな・・・・」
「・・・・そっか」
人懐っこく話をしてきたアレクサを思い出し「また会うことがあるかな?」と独り言を言う。
風呂屋の入口は賑わっていたが、従魔の湯は他にお客がおらずゆっくり疲れを癒すことができた。
「さぁ、宿に帰ってご飯でも食べるか」とぼそっと言うと、
「やったぁー」「お腹ペコペコにゃ」「今日のメニューは何かのぉ」とウキウキの3人。(クモいっぱい食べたよね?)
「セレーノの手料理は美味しいから楽しみだな」(僕はあんまり食べられなかった)
ゆっくり湯につかり頬をピンクに染めながら4人で宿に戻る。
食堂に行き空いてる席を見つけて座る。
僕たちを見て「おかえりなさい」とヒグレが注文を取りに来た。
「とってもお腹が空いているので、僕も入れてお勧めの料理を大盛りでお願いします」(クモは食べた気がしなかったからな・・・・)
「わかりました。今日はいい腸詰が手に入ったので、焼きと煮込み両方あります。どちらがいいですか?」と笑いながら聞いてくる。
「それは楽しみですね。えーっと、たぶんっていうか絶対『両方食べたい!』ってなると思うので、2皿ずつお願いします。後、パンとスープ、サラダも一緒にお願いできますか?」
「大丈夫ですよ。すぐお出しできるものからお持ちしますね」と厨房に戻って行く。
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