お見通し
「イリュージュシープの毛は刈り取ってからどんどん輝きが失われ、納品される頃にはほぼ白色になっている。
これはなんだ。こんな七色の毛を見たことが無いぞ」と額から汗を流しながら驚いた表情のオイゲン。
(うーん、僕は特に何もしてないんだよね。狩るのもココたちがあっという間に狩っちゃたし・・・・)
「はははっ、狩って直ぐおじいちゃんから貰ったマジックバッグに入れていたので・・・」と語尾を濁す。
「話には聞いていたが、まさかこれほどまでとはな・・・・・・。おい、買取りなら高い方がいいんだろう?」とおもむろに聞いてくる。
「そりゃ高く買ってもらえる方が僕は嬉しいですが」と答えると、
「よし、うちのギルド秘蔵のマジックバッグを持ってくる。それまで一度出したものをしまってくれ」と焦ったように言う。
「いいですよ。入れとけばいいんですよね」と七色に輝く毛を一度片づける。
「すまねえな。こんな上物出回ることがねえからお前から仕入れたことがばれないようにしたい。報酬もここで支払うから他では言うなよ」と口止めをされる。
(面倒事に巻き込まれるのはごめんだから)「わかりました。イリュージョンスパイダーの糸はどうしましょう?」
「そうか、それもあったな。どれくらい取れたんだ?まぁ、聞くだけ無駄かもしれんがな」と苦笑い。
「えーっと、糸・・・・」とマジックバッグを探る。手に重みを感じて引き出す。
「これくらいですかね」と机にドドンと束ねられた糸を出す。
「はぁ、『これくらい』かぁ。お前なぁ・・・・。でも、うちのギルドとしてはありがたいがな・・・」と呆れたように言いながら糸の束を手に取る。「しかもこれ、流通の基本量の束になってるぞ」とさらに驚いてい言う。
「そうなんですか?知らなかったです」と不思議なマジックバッグの事をにおわせないように言ったのものの、
「リュータローのマジックバッグなら仕方がないな・・・」と返すオイゲン。
(お見通しですね・・・・。はい)
オイゲンがギルドのマジックバッグを取りに行き、イリュージュシープの毛を渡す。
「えー、イリュージュシープの毛が麻袋30袋分で金貨150枚。イリュージョンスパイダーの糸が25束で金貨50枚だな。ほれ」と金貨200枚を渡される。
「こんなにですか?」と積み上げられた金貨を見て言う。
「あぁ、ギルドの儲け分を教えることはできねぇが、これでも喉から手が出るほど欲しがるやつがいるだろうよ。これ程の質と量が手に入ることはないからな。買える時に買わしてもらうさ」とニヤニヤ笑う。
笑いついでに「お前らなら受けられそうな依頼があるんだが」と話を振ってきた。
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