天使の微笑み
節分ですが鬼ではなく、天使の微笑みです。
甘い香りが漂う区画に着いた。右も左もカラフルな果物や野菜を売っている。
「良い匂いだにゃ」「甘い匂いー」「何とも良い香りだのぉ」と3人とも目を閉じて鼻をクンクンさせる。
(そうやってると、女の子っていうよりやっぱり天狐だな・・)うっかり言ってしまうと鉄拳が飛んできそうなことを思ってしまった。
「あれじゃないか?」と目当ての物を見つけて指さす。そこにはパイパイナップルがずらりと並んでいた。
「あれじゃな」「あれだね」「何だっけ?」
お店のお姉さんに「すみませーん」と声をかけ、今すぐ食べられる物を5個と熟すまでにまだ期間がある物を5個買う。もう少し買っても良かったのだが、お姉さん曰く「この国だとどこでも見かけるかな」ということだったので、とりあえず10個だけ買い金貨1枚を支払う。(思ったより高かったな・・・)
他にもお勧めの果物があるというので、いろいろ見て『ママンゴ』『ババナ』『キウーイ』を買う。ババナは黄色く熟れたらそのまま皮を手でむいて手軽に食べられるということで選んだ。
(そう言えば前に買った果物がまだ残ってるかも。いくらマジックバッグに入ってるからと言っても、早く食べた方がいいな)
果物をどっさり買って、パイパイナップル漬けの肉を焼いてみようと肉屋にも寄る。赤身の肉がお勧めのようだったので、お買い得品になっていたバイソンの赤身の塊を銀貨1枚と銅貨2枚で買う。
「食べるのが楽しみー」とリュー。
「どれくらい漬けたらいいのかを聞くの忘れたなぁ。夕方宿に戻ったらセレーノに聞いてみよう」
市場を堪能してギルドに向かう。
「どんな依頼があるんだろうね。市場で聞いたみたいに鉱物の採取依頼とかが多いのかな?」とワクワクしながら依頼ボードを見に行く。
行ってみると、やっぱり鉱物の採取依頼が多かった。
「鉄鉱石5キロン毎に銀貨8枚」
「銀鉱石3キロン毎に銀貨5枚」
「水晶石1キロン毎に銀貨1枚」・・・・・・など、聞いたことがある物からない物までずらりと並んでいる。
「やっぱり多いんだねー」と感心しながら見ていると、
「あらぁ~、確かコータちゃんって言ったかしらぁ~」とお姉さん(いやお兄さん・・・・)の声が後ろで聞こえた。
恐る恐る振り返ると、猫耳ミニスカのベネディクトが微笑みながら立っていた。(怖っ!)
「えーっと、ベネディクトさんでしたっけ?」
「あらぁ、私の事覚えててくれたのぉ~」とクネクネしながら喜ぶ。(あまりに強烈で忘れられませんでした・・)
「何か僕に用ですか?」
「私の話を聞いてくれるのぉ~。あのねぇ、あなたが来たらお願いしようと思っていた依頼があるのよねぇ~」と天使のような微笑みで思わぬことを言ってきた。
なるべく話をテンポアップで進められたらなと思ってます。
☆☆☆☆☆に
ポイントしてもらえると嬉しいです。
頑張って書きます!




