ラングの鼻歌再び
遅くなってすみません。
歌いたくなるほど楽しい時ってありますよね?
「さぁ、早く行くにゃ」朝ご飯を食べ終わるとさっさと席を立って行ってしまうラング。
(たっぷり時間を使ってお替りしてたけどね)
「そうじゃのぉ。質のいいものから売れてしまうじゃろうから早い方がいいかもしれん」
(モリモリお替りしてたけどね)
「そうだったー。行くー」
(今思い出しただろう・・・・)
ということで、朝食後は市場へと向かう。
宿のカウンターにいたヒグレに聞くと、宿を出て東の方に行くと食材などが並ぶ店が多く出ているらしい。
隣の国とはいえ、こんなにもいろいろ違うのかと思うくらい、いろんな品物が並んでいた。
中でも、鉱物などの石はこれまであまり見たことが無かった。
珍しそうにのぞき込んでいると「そんなに珍しいかい?」と店主のおじさんに聞かれてしまった。
「すみません・・・。鉱物の採取の依頼を受けたことが無いので、こんなにいろいろ見るのは初めてです」と答えると、
「ほぅ、坊主は冒険者か。この国はドワーフ達の鍛冶で成り立ってるとも言える国だ。だから鉱物を扱ってる店も多いし、鉱物の採取依頼も多い。何にも知らないと依頼も受けられないぞ」と教えてくれた。
「そうなんですね。頑張って勉強します。教えていただいてありがとうございます」と店主に礼を言う。
(本当はしっかり覚えなきゃいけないんだろうけど、『鑑定』があるからな・・・・)
シュリーネではあまり見たことのない鉱物や素材を見ながら、食材屋を探す。あまりに楽しみなのか「フンフン~♪」と鼻歌のラング。「ちょっと・・・」と声をかけようと思ったら、道行く人たちが『キラキラー』と光り出した。
「うわぁ、なんだぁ」「光ってる?」とあちこちから声が・・・・。
(やばい!)「ラング!!」とあまり大声にならないように近づいて肩を叩く。
叩かれたことで『ハッ』と現実に戻り「歌ってたにゃ?」と恐る恐る聞いてくる。
「うん・・・」とため息をつきながら答えると、
「すまないにゃ・・・」と肩を落としてしょんぼりするラング。
さりげなく周りの様子を見てみるが、誰も僕たちの事を見ておらず気づいてる人はいない感じだった。
「(ホッ)気をつけろよ」と小声でラングに言う。
「すまなかったにゃ」とラングも小声で返してくる。
さっきまであんなに楽しそうだったのにしょんぼりするラングがなんだか可哀そうになり、マジックバッグを探って残っていたベビーカステラを渡す。
「モグモグしてたら歌うこともないだろ?」と笑いながら言うと、
「ありがとにゃ」と嬉しそうに受け取り、パクッと口に放り込む。「おいしいにゃ」とご機嫌も戻り、何事もなかったように歩き出す。
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