トゲたっぷり
ココさんは人見知り・・・・かな。
「はぁ、いいお湯だったね。友だちもできたし」とウキウキで風呂場から出ていくと、ココがふくれっ面で立っていた。
「どうかしたの?」と聞くと、
「お主たちだけ楽しそうではないか。童は一人静かに入っておったぞ」と僕をジトッと見ながら言う。
「女湯は誰もいなかったの?」
「人はいたが、どいつも仲間で入っておるようで童だけのけ者のようだったわい。遠くから聞こえてくる声は何とも楽しそうだったがな」とトゲたっぷりで言い捨てる。
「ゆっくり温まる事が出来てよかったよ」と話を変えたつもりだったが、「何とも居心地が悪くてさっさと出てきた。お主たちが出てくるのを待ってるうちに冷めてしもうたわい」とさらに不満が爆発。
「・・・・・。そ、それは悪かったな(別に僕のせいじゃないよね?)。待たせてしまったし早く食堂に行くか」と何気なく言った一言に、
「それはいい考えじゃ」「やったー」「ホカホカ温かくなったから何か冷たいものがいいにゃー」と返事が3つ。
(お前たちは十分満足しただろう・・・・)とリューとラングを見るが、僕の気持ちなんてまったくお構いなし。
「何食べるー?」「お腹空いたにゃ」「もう準備はできておるだろう」など言いたい放題。
「分かってるだろうけど、騒いでヒグレに迷惑かけるなよ。」と釘をさし、みんなで食堂に向かう。
入口で「すみません。従魔と一緒ですが入れますか?」と声をかけると、
「大丈夫です。開いてる席にどうぞー」と即答の返事が奥から返ってきた。
席の数は少なかったが、ちょうど入り口近くの席が空いていた。
周りは食事をしながら飲んでいる人が多く、ワイワイ話しながら楽しそうに食事をしていた。
「小さい宿だけど、案外人気なんだね」とつぶやくと、
「ありがたいことですが、お客さんはひっきりなしです」とヒグレがやってきた。
突然ヒグレが来たことに驚いたのと、ちょっと失礼な発言だったので「すみません」と謝る。
「こんな小さな宿ですからね。宣伝も特にしていないのですが、母親の料理が美味しいと評判のようで繰り返し泊まってくださる方もいるみたいです」とどこか自慢気なヒグレ。
「腹ペコなのでお勧めの物を大盛りでお願いします」とメニューも聞かずに注文する。
「わかりました。お世話になった皆さんに喜んでいただけるよう、母にもお願いして作ってもらいます」
(そんな事言ったらこいつら期待しますよ・・・)
「やったー」「うむ、期待してるぞ」「お腹いっぱい食べるにゃー」と3人。
「わかりました。ちょっと待っててくださいね」と厨房の方に戻るヒグレ。
(大丈夫だよ・・・ね?)
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