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一緒に旅をしてくれる仲間

今日も遅くてすみません。

のんびりお茶をしている僕らを忌々しそうに見ている盗賊たち。光る頭も含め全員が土砂降りでびしょ濡れになっている。

(まだ明るい時間だし、『何とかは風邪ひかない』って言うらしいし、大丈夫だよね♪)


もう少しゆっくりしていきたいところだが、あんまり遅くなると日が暮れてしまう。面倒なことが起きる前に出発することにした。


リューが少し先を飛んで、その後にヒグレ達を乗せたラング、僕を乗せたココ、最後を縛られた盗賊たちと並んだ。

背後に盗賊たちがいるのが不安だったが、ワルムンドに着くまでココが幻惑の妖術をかけて視界を奪っている。

前が見えているようでいて見えていない盗賊たちは「くそっ、何だこれ」と悪態をついたり、おぼつかない足取りで転びながらついてくる。もちろん「何かしようものなら分かっておるだろうな。盗賊の一人や二人欠けたところで役人は文句など言わんだろうからな」というココのお言葉があった。


さすがに歩きだと予定より時間がかかっている。子どもたちの疲れが心配だったが「お父さん、あれは何?」「あんな花見たことない」など楽しそうな会話が聞こえてきた。


(僕も家にいたら父さんにいろいろ教えてもらうことがあったんだろうな)と親子の後姿を見ながら考えてしまう。無言で考えていると「どうした、何か考え事か?」とココ。


「いや、なんでもない。大丈夫だよ、ありがとう」

「礼を言われることなどしておらん。静かなお主が珍しいだけじゃ」と照れ隠しのように早口で言う。


(父さん、母さんとは話ができないけど、一緒に旅をしてくれる仲間がいる。僕は一人じゃないんだよね)


のんびりぼんやり歩いていたが、盗賊たちを引き連れているのが目立ったようで、国境の門が見える前に衛兵らしき人影が走ってくるのが見えた。


僕たちを見つけると「止まれ、止まれ」と大きな声で止められた。

「お前たち、どこに行く」とやや高圧的な雰囲気の衛兵(きっと隊長だな)。


「僕たちワルムンドとの国境を越えてボルトンを目指しています。この薬屋さんたちの護衛が任務なんです」とギルドの依頼書を見せる。


「ふん。間違いはなさそうだな。で、後ろの奴らは何だ」と盗賊たちを見る。

(「ココ、幻惑解いて」)とこっそり伝えて、「途中で襲われたので捕まえて連れてきました」と衛兵に言う。


突然幻惑が解かれた盗賊たちは「お前ら何しやがる!」と睨みを聞かせるが、その先には衛兵が立っていた。

「ほぉ、話はゆっくり聞かせてもらおうか」と衛兵(たぶん隊長)の逆鱗に触れてしまったようで、僕たちへの詮索はほぼなかった。(よかったー)

「盗賊たちはここで引き取ろう。門に到着したら知らせるように」と一言告げて衛兵(たぶん隊長)は部下と共に去っていった。


☆☆☆☆☆に

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