大きくなるのは久しぶり
みんなで、ばびゅーんと出発です。
シュリーネの街を出たところで「ワルムンドまでササッと行こうか」と声をかける。
「コータさんでしたよね。馬車もないのにどうやって行くんですか?やっぱり歩いていくんですか?」とおじさん。
「大丈夫ですよ。従魔が頑張ってくれますから」とヒグレ(おじさんの名前が『ヒグレ』だった。だから『ヒグレの薬屋』という店名だそうだ。日暮れじゃなくてよかった)に返事をしつつ、ココとラングに「今回はおじさんと子どもたちが乗っていくから2人で乗せてもらってもいいかな」と聞く。
「童はかまわんぞ」「大きくなるのは久しぶりにゃ」と即答でOK。
ココは妖力を揺らめかせながら天狐の姿になり、ラングは「ジャイアントケットシー」と唱えながら大人でも2人くらい乗れそうな大きさになる。
突然の変身にびっくりして腰を抜かしたように座り込むヒグレ。子どもたちは「すげぇ」「大きいー」と大喜び。
「じゃあ行きましょう。子どもたちだけで乗せるわけにはいかないので、僕とテルがココに乗って、ヒグレとアサヒがラングに乗っていきましょう。
「リューは盗賊とか魔物を空からチェックな」
「リョーカイ」とフワフワ飛んでいくリュー。
ヒグレや子どもたちがしっかり乗ったのを確認して、「振り落とされないようにしてくださいね。」と注意をする。
ココとラングには、あまり飛ばさないように声をかける。
「うむ、わかった」「オッケー」と2人。
「では、ワルムンドに向けて出発!」と合図をすると颯爽と走り出す2人。
「うわぁああああああ」と悲鳴をあげるヒグレ。「「きゃー♪」」と喜ぶ子どもたち。
休憩なしで行ける所まで行ってしまおうということで、バビューンと走っていく。
悲鳴をあげていたヒグレが意外に頑張り、ずいぶん進むことができた。
そろそろ、休憩を入れようかと思ていると、「コータ。何か来たー」とリュー。
「魔物か?」と聞くと
「うーん。たぶん人間?手に何か持ってる」と話すのとほぼ同時に空から矢が降ってきた。
飛んできた矢はココとラングが『シールド』を張り、事なきを得た。
「お前、もうちょっと早く見つけて言えよ!」とリューに怒るものの、すでに見つかっているのならしょうがない。
「こんな矢で童が仕留められると思っているのか」とちょっとお怒りモードのココ。(沸点低いよな・・・・)
僕とテルがお怒りのココから降りると、ラングに乗っていた2人も降りようとする。
「ヒグレ、そのままラングに乗っていてください。もし何かあったら乗って逃げる方が速いから」と僕が言うと
「分かった」と答えるヒグレ。
「ラング、テルも乗せていいか?」と聞くと「大丈夫にゃ。何かあったら走って逃げれるにゃよ」と頼もしい返事。
リューとココと僕で相手を迎え撃つことになった。
(過剰防衛ではありません。・・・・たぶん)
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頑張って書きます1




