そういうのが好み
コータの好み発覚!?
うだうだココと話をしているとギルドに着いた。
朝一の時間ではないが、午前中ということもありギルドカウンターには列ができていた。
(うさ耳お姉さんの列はやっぱり長いな・・・・)
とりあえず、ワルムンド方面の護衛依頼がないかチェックしてみる。
「えーっと、やっぱり国境付近に盗賊が出るっていうんで商人の依頼が多いかな」とボードの前を行ったり来たりしながら見る。正直これを見ただけではどれを選んでいいのかは全く分からない。
「カウンターのお姉さんに聞いてみよう」と列に並ぶ。
(ここはやっぱり回転が速いうさ耳お姉さんの列だよね♪)
「・・・・お主もああいうのが好みなのか・・・」とジト目でココが見てくる。
「な、な、何を言ってる。この列が早いかなと思って並んでるんだ」
「そうにゃ?」とラングも疑わしそうに見る。
「どこに並んでも一緒だろ」と開き直って言い切る。
「そうか、そういうのが好み・・・・・。ふむ」と心得たとばかりに頷くココ。
(ちょっと待って。間違い・・とも言えないけど、なんか・・・・)
列が進み僕の番になった。
「あら、あなたは昨日の」と僕の顔を見て言うお姉さん。
「覚えてくれてたんですか?」と聞くと、
「ギルドを利用してくださる方は覚えるようにしてるんです」と笑顔で返してくれた。
(お姉さんの人気の理由はこれか)
「今日は相談なんです。ワルムンドに行くならそこまでの護衛依頼を受けようかなと思ってるんですが、いろいろありすぎてどれを受けたらいいのか迷ってしまって・・・」と正直に言う。
「そうなんですね。依頼料の額で決めたり、日数で決める方が多いですかね。どうされますか?」
「うーん。僕たちが行くついでなので金額は安くても本当に困ってる人の依頼がいいです。そういうのはありますか?」
「そうですね。ちょっとお待ちください」とファイルを取り出しパラパラめくる。いくつかめくって手が止まった。
「これなんかどうですか?『久しぶりに祖父母に孫の顔を見せたいので護衛をしてくれないか』という依頼です。金銭的にあまり余裕がないそうで依頼料はかなり低めです。この金額でも受けてくれる人がいればということで張り出したものの、あまりの安さに受ける冒険者がおらず貼り出し期限が迫っている案件です」
「どんな人なんですか?」(足元を見て安くしてる人とかだったら嫌だしな)
「市場で小さい薬屋をしている人です。品ぞろえが少ないので立ち寄る冒険者も少なく、あまり繁盛している感じではないですね。ポーションも値段を適正価格で扱ってる薬屋さんです」
「じゃあ、その依頼にします。いいよね?」と3人を振り返る。
「急ぐ旅でもなし、お主が良いと決めたならそれでよいぞ」
「いいよー」「人助けにゃ」
「これでいいんですね?」と確認するお姉さん。
「はい。でもそうすると今日の出発にはならないですよね?」
「そうですねぇ。依頼人に確認してみないと分かりませんが、都合がつけば今日の出発になるかもしれません」
「じゃあ、その依頼人に会って話をしてみます。・・・・そうだ、ここで受けた依頼を完了した報告はどうなるんですか?」
「ワルムンドの国境『ボルトン』にはスローム王国のギルド支部があります。そこで依頼の報告を行ってください」
「わかりました。では、依頼人の所に行ってみます」
「無事に達成されることを願ってますね」と耳をピコピコしながら微笑むお姉さん。
(依頼料が低くてもこれで満足・・・だな)
次は薬屋さんの手助けです。
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