うさ耳のお姉さん
さすが国境の街のギルド。建物はそれ程大きくないが賑わいをみせている。出入りしている人影もドワーフが多い。
扉を開けて中に入る。ぐるっと見回すとカウンターが見えた。少し混んでいるようだったので、ふらり依頼ボードを見に行く。
「何か受けるにゃ?」とラングに聞かれ、
「そうじゃないけど、どんな依頼があるかなと思って。でこの辺りに出る魔物の種類だったり、薬草とか分かるだろ。それに護衛依頼が多かったら治安が悪いのかなとも思うし」
「なるほどにゃ。で、どうにゃ?」
「うーん、薬草とか魔物は王都の辺りと変わらないかな。まぁ、そんなに離れてないからそんなもんかな。護衛依頼がいくつかあるのは気になるかなぁ。シュリーネと国境をはさんだボルトンまでの護衛依頼もあるよ。ちょっとカウンターで聞いてみよう」
依頼ボードを一通り見てカウンターに向かう。込み具合はそれ程変わっていないが、列は流れているので大丈夫だろう。一番流れが早そうな列に並ぶ。
「お待たせしました。ご用件をお伺いしますわ」とカウンターの向こうにいたのは、ピコピコ長い耳が動くうさ耳のお姉さんだった。
「あの、えーと」と何から聞こうか迷っていると、
「あなた本当に用事があります?」と疑わしそうな視線で見られる。
「は、はい。僕この街に来たばかりで、従魔と泊まれる宿を教えて欲しいのと、ワルムンドへの出国について聞きに来ました」
「あら、そうなのね。疑ったりしてごめんなさい。たいした用事もないのに話しかけてくる人が多くて困ってるのよね」と長い列を見るお姉さん。
(混んでる理由はそれか・・・・。確かにお姉さんはとっても綺・・・・・・ゲフンゲフン・・)
「従魔と泊まれる宿ね。えーっとあなたの従魔は・・・?」と聞かれ、ギルドカードを見せる。
「まぁ、ドラゴンとケットシーなのね。ドラゴンなんて初めて見たわ。こちらのケットシーも可愛らしいわね」
「ありがとうにゃ」とヒゲをヒクヒクさせて喜ぶラング。(こいつめ・・・)
「そうね、そんなに広い部屋もいらないだろうからこの近くの『カレイド』っていう宿がいいかしら。キラキラした窓の宿だから直ぐに分かると思うわ。後、ワルムンドへの出国ね。少し前から国境近くに盗賊が現れるようになってしまって、商人たちの護衛依頼が増えてるの。どうせ国境を超えるなら護衛依頼を受けるのもいいんじゃないかしら」
「そうなんですね。護衛依頼が多いなと思ったらそういう事だったんですね。依頼を受けるかどうかはまた考えてみます」
☆☆☆☆☆に
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頑張って書きます!




