天狐様 出番です
あけましておめでとうございます。
今年も書き続けて行こうと思いますので、
読んでいただければ嬉しいです。
話の流れをもう少しテンポアップで書こうと思いながら、
それぞれが好き放題するキャラ達で長くなってしまってます。
これからどうなるでしょうねー。
窓から穏やかな日差しが差し込み目が覚める。
「何だか久しぶりにゆっくり寝た気がする」と大きく伸びをして目をこする。
(うん?何か頬が・・・・)と頬をさすると、うっすら何かの跡があり少しだけヒリヒリする。
「おい、リュー。昨日なんかやったか?」とじろりとリューを見る。
「ななな、何のことかなー」と鳴りもしない口笛を吹きながら斜め上を見る。
「クックッ・・・・。昨日は楽しかったぞ。お主にはいつもしてやられてるからのぉ」となぜかココが楽し気に笑っている。
「お前か!」とココを睨む。
「そう睨むな。どうせ一晩で治るのだろう?良いではないか」
「そうかもしれないけど、そういう事じゃなくて・・・・・。はぁ」
(これからは絶対一番最後に寝るぞ)と今日の出立とは別に、新たな決意をした。
「さぁ、支度をしたら朝飯だ。食べたらすぐに出発だな」
「おー」「朝飯は何かのぉ」「何かにゃー」と怒られているとはこれっぽっちも思っていない3人。
「はぁ」と再びため息をついて食堂に向かう。
「おはようございます」と声をかけてから席に座る。今朝はちょうど混んでいる時間帯だった。
「あ、コータさん。おはようございます。大盛3つとコータさんの分、お持ちしますねー」と朝から元気なコハルの声が飛んできた。
「あー、それで頼む」とこちらも声を張って言う。
しばらくすると、「うずまき亭特製朝定食です。今日はシャーケの塩焼きと卵焼き。みそ汁とご飯はお代わりできますから、いっぱい食べてってくださいね」と持ってきてくれた。
「良い匂いでおいしそうだにゃ」「いろいろあってどれから食べるか迷ってしまうのぉ」「いただきまーす」といつも通りの3人。
「ホントに美味しそうだ。いただきます」と熱々のみそ汁から食べる。「美味しい。この味が僕に出せるかな」とつぶやくと、
「大将も言っておっただろう。いろいろ試して自分の味を見つけると良いのじゃ」とココ。
「そう言うとかっこいいけど、味見したいだけだろ」と言うと、「味見も大事な仕事じゃ」と偉そうな返事が返ってきた。
(ホッとする朝ご飯っていいよな)
遠慮なくたくさんお代りをして「ごちそうさまでした」と厨房に声をかけると、
「おー、旨かったか?昨日言ってたすじ肉の下ごしらえが出来てるから、もってけよー」と大将の声。
「忙しいのにすみません。ありがとうございます」と返事をして受けてりに行く。
厨房の入口に行くと、「ほらよ」と器にドカッともられた肉。「醤油でも味噌でも好きなように味付けして、食べてみるんだな。で、こっちはヒナタからの頼まれごとだ。おにぎりだとよ」と大きな包みを渡された。
「こんなにたくさん・・・。ありがとうございます!」ああ言ったものの、昨日の今日で用意してくれるとは思っておらず、サプライズプレゼントだった。
ホクホクで部屋に戻り荷物をまとめ、受付に行く。
カウンターにいるヒナタに「おにぎりありがとうございます」と礼を言う。
「中身は食べてのお楽しみですよ。この後の旅も気をつけてくださいね。また、泊まりに来て下さるのを待ってます」とフフッと笑いながら言うヒナタ。
「はい。おじいちゃんに会えたらまた泊まりに来ます。今度はおじいちゃんと一緒に」
もう一度挨拶をして宿を出る。
王都の北門から出て「さぁ、ワルムンド向かって出発だ」と気合を入れる。
「そうじゃのぉ、さっさと『シュリーネ』まで行ってしまおう」とココ。目を閉じて妖力をなびかせ天狐の姿に戻る。
「まさか・・・」
「ほれ、乗れ」
「速いにゃー」とご機嫌のラング。リューもピューと飛んで付いてくる。
「このままだと、夜の早いうちには着けるかの」
「そんなに早く?」
「童を誰だと思っておる」
「はいはい、天狐様ね」
「なんか馬鹿にされておる気がするのじゃが・・・」
天狐の妖力を感じてか魔物と遭遇することもなく順調に走り続け、昼頃になった。
「よし、この辺で飯じゃ」
久しぶりの天狐様。
やっぱり妖力はすごいです。
☆☆☆☆☆に
ポイントしてもらえると嬉しいです。
頑張って書きます!




