ヒナタさんのせいじゃないですよ
祝 100話!
呼んでくださっている方ありがとうございます。
もっとサクサク進むつもりが、いろんな事件でまだ初めの国です。
これからもワクワクの旅が続きますので、応援よろしくお願いします。
「戻りましたー」と声だけかけて階段を上がろうとしたら、カウンターにいたヒナタに呼び止められる。
「なんでしょう?」とふり向くと
「コータさん。冒険者ギルドの人に聞きました。うちのお風呂ですみません」と泣きそうな顔で立っていた。
「ヒナタさんのせいじゃないですよ。こいつが飲みすぎたのがいけないんです」とリューを指さす。
「いいえ、ギルドの人に言われてお風呂の徳利を確認したら、私が入れたものとは違うお酒が入っていたの。どうやら掃除を頼んでいた業者が盗人たちにお金をもらって入れ替えていたようなの。いろいろ調べがついてその業者も捕まったわ。ご迷惑をおかけして本当にごめんなさい」と落ち込んだ様子。
「ラングも無事に帰ってきたし、悪いやつらは捕まったし、もう大丈夫ですよ」と明るい声で返事をするものの、「何かお詫びできたら・・・・」と元気のないヒナタ。
「僕、明日には王都を出てまた旅に出るんです。美味しいおにぎりをいっぱい作ってくれませんか?」とお願いをしてみる。
僕の気持ちが伝わったのか「ありがとう、コータさん。はりきって作るわね」と俯いていた顔を上げ、目元を拭いながら答えてくれた。
「じゃあ、明日の支度があるので」と手を振って階段を上がる。部屋の扉に手をかけて思い出したように聞く。
「そうだ、お風呂って入れますよね?」
「えぇ、もちろんよ。私がしっかり掃除してあるからゆっくり入ってね」と今度は笑いながら言うヒナタ。
部屋に戻って気が付いた。
「そうだ、ココもいたんだった。寝るところはどうしよう?」
「一緒に眠れば良いではないか」とココ
「えーっ、一緒に寝るの?」とびっくりして言うと、
「何じゃお主、童とでは不満か」とちょっとお怒りモードに入りそうなココ。
「いや、だって、ほら、さぁ・・・」としどろもどろに言うと、
「クックッ、冗談じゃ。童もずっとこの姿でいるのはちと息苦しい。寝る時くらいは元の姿でゆっくりしたいものじゃ」と笑いながら言う。
からかわれたことに気づき「もう、全く・・・」と文句を言いながらも(よかったー)安心した。
「さぁ、今度こそゆっくりお風呂に入ろう。ここを出たら次いつお風呂に入れるか分からないからな」と言うと、「お腹すいたー」「飯が先じゃ」「何か食べたいにゃ」と3人。
「リューとラングは分かるけど、ココはさっきたらふく『うどん』を食べてたよな」
「・・・・・そうじゃったかのぉ。昔の事は覚えておらん」と口笛を吹く素振りで斜め上を見る。
(いやいや食べたよね。口笛も鳴ってないし)突っ込みどころ満載だったが、言っても無駄なことが分かっているので、「しょうがないなぁ。じゃあ先に食事して風呂に行こう」と諦めたように言う。
「「「わーい」」」とはしゃぐ3人。
「ラング。分かってると思うけど歌うなよ」と先に注意をして食堂へ向かう。
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頑張って書きます!




