テッカテカをどうしよう
《コショウの実、キビ草、蜜々草。料理の幅が広がりますよ》
「コショウの実、キビ草、蜜々草があるらしい。ちょっと探してみよう」
周りの草むらや木の陰を見ていると、黒い粒々がブドウの様にぶら下がっている木があった。
「これかなぁ。鑑定」《コショウの実。とってもスパイシーで炒め物などにいれると美味しい。すりつぶして粉にしても良い。新鮮なものは香りも良く高く売れます》
「やった、これだ。これで薬草炒めもちょっと美味しくなったらいいな」
「で、こっちがキビ草でこれが蜜々草かな?」
《キビ草。細かく切って煮詰めていくと白い粉ができます。合法ですよ》(合法?なんだそれ)
《蜜々草。大きく開いた花の茎からしたたる蜜は最高。パンにかけるのもお勧め》
「リュー、こっちは甘いものが作れそうだ。ちょっと食べてみるか」
カバンをゴソゴソと探って、宿で追加でもらっていたパンを出す。熱々ではないが、ほんのり温かい。
「えーっと、大きく開いた花の茎だからこれくらいかな」花畑まで行きせっかくなので一番大きい花を取る。
「うわっと、すごい蜜が垂れてくる。パンにたらして・・・・うまーい!」
とろんとした甘さと、花の香りがふわっと鼻に抜けてめちゃくちゃうまい。僕の顔を見てリューが「俺も俺も」とペチペチ叩いてくる。
「わかった、わかった。お前のペチペチけっこう痛いんだからやめろよ。はいこれ、べたべたになるからこぼすなよ」上にかけて渡すとべたべたになりそうだったので、パンに切れ込みを入れてそこに蜜をたらしてやる。
一口食べて目が『キラーン』「コータ これうまい!もっと食べるー」と花畑に突入するリュー。
「後で洗ってやらないと全身べたべたで帰ってくるな、確実に・・・」
取っては食べ、取っては食べ・・・とあまりにたくさんリューが取ってくるので、したたる蜜を無駄にしないためにカバンの中から空のビンを探して入れておく。(じいちゃんのカバンは何でも入ってるなぁ)
ビンに入れながら気づいたのは、大体が黄色の色をしている中、たまに水色だったりオレンジ色の蜜があった。
匂いを嗅いでみると水色のはなんだか気持ちがすっきりするような香りで、オレンジ色のは気力が湧いてくるような香りだった。
「リュー、帰りもここを通るからこれぐらいにして、森に行こう」と全身をテカテカさせて飛び回るリューを呼ぶ。「わかったー。もうお腹もいっぱーい」
早めの昼食になってしまったが、初めての森で食べるより良かったかもしれない。
「もう少しで森だから、油断せずに行くよ」とリューをせかせて森へ向かう。
森まであと少しというところだったが、テッカテカのリューに虫がぶんぶん飛んできて、あまりにリューが嫌がりどうしようかと思っていると
ピコーン《魔法 クリーンを覚えました》とお知らせが。
(話が上手すぎるけどまぁいいか、どうせ犯人はじいちゃんだろうし)
「リュー、『クリーン』って魔法を覚えたからお前にかけてもいいか?」
「コータ すごい。虫がうるさいから早くかけてー。」
「よし、待ってろ『クリーン』」リューの周りを水と泡が一瞬で取り囲みさっと消えると、テッカテカのリューはピッカピカのリューになっていた。
「リューはずいぶん汚れていたんだなぁ。久しぶりに鱗の輝きをみたよ。これからはたまに風呂にでも入ろうな」
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頑張って書きます!