第97話 箱庭ゲーム
すみません、推敲がかなり甘め。
※後日、改稿修正予定です。
6人でのゲーム集会なので読みづらいかもです。
よろしくおねがいします。
『竜のあくび亭』に宿泊客がそろった。
聖職者のリヒトくん、
騎士のテオドールさん、
冒険者のユリウス、
商人のヴォルフガング、
そして本来ならば、宿泊の予定だった
騎士のレオンハルト。
それぞれが一堂に会し一つの場所へと集う。
「本日は『竜のあくび亭』ゲーム集会へとお集まりいただき、ありがとうございます」
パチパチパチパチ〜♪
食堂の奥側。観葉植物が生い茂る場所にて。
それぞれがテーブル席へとついている。
「ルーシア、礼を言うぞ」
「いえいえ〜、どういたしまして」
レオンハルトがやさしくほほ笑む。
ソファー席でくつろいでる。
とても高級そうでたいへん座り心地が良いやつだ。
では、さっそく仕事を再開しようかな?
皆さま方が遊んでいる間、いろいろとしっかりサポートするつもりだ。お出しするお茶とかお菓子どれからがいいかな〜?
とにかく限られた時間の中、いっぱい楽しんでほしい。
「では、ごゆっくりどうぞ〜」
「どこへ行くんだ、ルーシア?」
「?」
ぺこりとおじぎして部屋を退出しようとすると、
背後からヴォルフガングに声をかけられた。
「……っ!?」
ひぇぇっ
ふり返ると皆さま方がこっちを見てるんですが……?
なになになに〜っ
よくわからないけど、注目するのはヤメてぇぇっ
「キッチンですが、いかがなさいましたか?」
「席につけ」
「え?」
「おまえも参加するんだぞ?」
「えええっ」
ヴォルフガングが不満そうな目をむけた。
な、なにそれ。
しかも、さもあたりまえみたいな表情してるーっ
「えっと、ありがたいお話ではございますが――前回はレオンハルトが欠席。それと皆さま方がゲームを遊ぶのがはじめてだったので、参加をしましたが……」
とりあえず辞退の説明をする。
宿屋のおシゴトもあるからね。
今回は楽しむ皆さま方を全力でサポートしたいし。
「ルーシアさん、どうか僕からもおねがいします。……ずっと今日のゲーム集会を楽しみにしてたんです。――皆さんと、そしてルーシアさんも遊べると思って……」
「リヒトくん?」
「できれば、ご一緒にいかがでしょうか?」
《聖職者リヒト》が天使のようにでほほ笑んだ。
キラキラキラ〜♪
天窓からふりそそぐ光。
――――まさに神の御使いがそこにいた。
リヒトくんの笑顔つよいぃ……。
おもわず「うん」と返事したくなる。
しかも首をこてり、としてちょっと不思議そうにしてる。
もうすでに降参したい状況だ。
「ほらほら、皆といっしょに遊ぼうぜ♪」
騎士のテオドールさんが手招きしながら笑った。
「えっと、あの……!」
「ルーシアちゃん。じつは先日、手柄をたてたんだよ?」
「ええっそうだったんですか?」
初耳だし、びっくり。でも、めでたい。
「テオドールさん、おめでとうございます~」
「だから祝いもかねて参加よろしく♪」
《騎士テオドール》が陽気に笑った。
わわっ
いきなりそっちの流れ?
断りづらい方面からのせてきた。
「あのぉー、気持ちはありがたいのですが。オシゴトなどいろいろありまして」
「ルーシア、大丈夫だよ?」
「ユリウス?」
幼なじみのユリウスがうれしそうに笑った。
「じつは俺、早起きして宿の仕事はほぼ全部すませておいたから。気がねなく参加して大丈夫だよ?」
「えええっユリウス、ありがとう〜」
いっいつのまに作業をっ
あわあわしてると「大丈夫、大丈夫だよー」と笑顔でうなずきながらフォローしてる。
「あははっどういたしまして。せっかくこうして集まったんだし、いっしょに楽しもうよ?」
《冒険者ユリウス》がやさしげにうなずいた。
遊ぶために手伝ってくれたんだ。
うわぁっお世話になりっぱなしだよー。
「いえ、でもあのぉー」
「どうした? なにをおそれている」
「えっと、ヴォルフ?」
「――『神々の遊戯』いままで1度たりともをおそれず挑みつづけたお前が、まさか! いまさらおじけづいたのではあるまいな?」
「……っ!?」
《商人ヴォルフガング》が片眉をあげ不敵に笑う。
「フンッ『竜殺しの勇者』の孫娘がきいてあきれる」
「ちょちょーい、ヴォルフさぁ〜ん?」
騎士テオドールさんが商人ヴォルフに突っ込みをいれた。
そんな言葉を気にもとめず、腕を組んでにらみつける。
ゲームへの不参加に対する絶対的な態度。
――――ヴォルフガングは本気だ。
「いえ、べつにおそれては……」
「ならば、なにも問題はないのだな?」
「はい。わわっ」
ぱしっと手を口にあてる。
うわぁっ言質とられたみたいになってるー?
「このゲームには、おまえが必要なんだ、わかってくれ」
「ヴォルフ?」
ちょっとだけすがる様な目線をむけられる。
いきなりそんなの困るよーっ
「ルーシア、皆の言うとおりだ」
「れ、レオン?」
ソファーで足を組んで、
静かにやりとりする様子をみていたレオンハルト語りかけた。
「ここは『竜のあくび亭』そして君は今《宿屋の主人》だ」
ふり返りながら目を見開く。
いや、たしかにそうなんだけど。
「先代、宿屋の主人であるジゼル殿であったのならば……むかえた客を最大限にもてなすだろう。……《異世界》でいうところの『《おもてなし》』だ」
「……異世界語」
レオンハルトから紡がれた言葉に驚愕する。
不思議な音がまざった《異世界人》の言葉。
『《おもてなし》』
おじいちゃんがときどき訪れるお客様に、うれしそうによく口にしていた言葉だ。
おじいちゃんの《異世界語》
――――おぼえていてくれてたんだ……。
ひさびさにきいた言葉にとまどいつつも顔をあげた。
金色の髪から覗く青い瞳でやさしくほほ笑む。
薔薇の花が咲き乱れ花びらが舞う。
絵本の王子様がゆっくり手をさしのべた。
「さぁ、『竜のあくび亭』宿屋の主人ルーシアよ」
「……っ」
なにこれー? その圧倒的な
ま、まるで絶対君主の王様みたい。
つまり全力でのおもてなしをご所望と?
『ゲーム参加よろしく〜♪』って意味ですよね?
「うううっ」
それぞれに目をむけた。
天使のように説得する聖職者。
陽気にお誘いする騎士。
気づかい手伝ってくれる冒険者。
遊戯のために挑みかかる商人。
もてなしをもとめる自称騎士。
あああっ
どれもこれも要求をはねのけられない。
「そ、そんなに、ゲームに参加させたいのですか?」
「そうだぞ」
「!」
たかが村娘で《宿屋の主人》に?
まぁ、いちおう『竜殺しの勇者』の孫娘ですけど。
「うううーっわかりましたぁー」
じゃっかん投げやりになりつつ叫んだ。
まったく勝てる気がしないよ。
それぞれの宿泊客と客人に涙目で訴えるように目をむける。
「そうですか、よかったです♪」
聖職者リヒトくんがうれしそうに笑った。
「んじゃ、そろったコトだしさっそくはじめようぜっ」
騎士テオドールさんが楽しそうに声をあげる。
「あははっ俺、楽しみだなー♪」
冒険者ユリウスがわくわくしながらうなずく。
「フンッ……さっさと観念すればよいものを」
商人ヴォルフガングがやれやれと頭をふった。
「ふたたび、礼を言うぞルーシア?」
自称騎士のレオンハルトがやさしくほほ笑んだ。
「……っ!?」
それぞれがくすくすと笑いながら満面の笑みを浮かべてるーっ。
なんて方々なのー。
『竜のあくび亭』の宿泊客と客人がつよいよー。
おじいちゃああぁぁん!
こころで頭を抱えて叫んだ。
うーん。
楽しそうにしてるし、まぁいいのかなぁ……?




