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第71話 城下街とごはん sideアイザック

冒険者アイザックのお話。全2話。

後半は主人公ルーシア視点になります。

よろしくおねがいします。


 ――ある日の昼下がり。


 冒険者ギルドがさわいでいた。



「……うわぁっ」


「またあいつかよ……」


 

 ああっ、あれか。Sランク冒険者。

 女の子に取り囲まれながらぞろぞろ引き連れて移動してる。

 さわぎになりすぎてとりしまる警備隊。


 この冒険者ギルドのよくみる光景だ。



「……いちど組んだやつとは2度とパーティーを組まないらしい」


「ひぇぇっおっそろしいヤツだな〜」


「……まったくだ。うらやまけしからん」



 横目でチラリと目を向けた。

 貼りだされてるクエスト掲示板ボードの前で

 誰かの語りあう言葉をきいた。


 たしかにすごい。

 けど、むしろありゃたいへんそうにみえるけどな。


 俺は張り出されている紙に目をむける。


 

「アイザックなんかいいのあったか?」


「……ああっ? んー、これとかどうよ?」


「おおー! じゃあそれでー」


 冒険者仲間パーティーメンバーと笑ってクエストを受けた。



 ◆




 冒険者ギルド周りの繁華街。


 

 俺はひとりぶらりと散歩をした。


 うーん? まだ鍛冶屋に武器とりにいくにははやすぎるし。

 冒険者仲間パーティーメンバーの集合は夕方からだっけか?


「………。」


 今は昼時、飯を食うにはちと朝ごはんおそめだったし。

 しゃーない、小腹でも空いたらなんかてきとーにたべよう。


 とりあえずは旅に必要な小物でも補充するとするか。

 こういうのがいざという時に役にたつんだよなぁ。



 「うん?」


 わいわいっ ざわざわっ


 人ごみのなかで赤いずきんがトコトコ歩いてる。


 あー?

 あれはたしか………?

 前に冒険者ギルドで迷子になってた村娘。


 名はシアだったっけか?



 赤ずきんがカゴをもってあちこちみてる。

 

 またキョロキョロなにかを探して……。

 ぷぷっ、ホントうちの弟によく似てるよな〜。


 って、どこ見て歩いて……。



 ガバッ



「きゃあっ」


「…………おーい、ちゃんと前みてあるけ〜」


「!?」


 ぶつかりそうになった赤ずきんをつかさず抱き寄せる。


 

「……アイザックさん!?」


「っとに、気ぃつけろー」


「ごごごめんなさい。ありがとうございますっ」


 うでの中でまっかになってぺこぺこしてる。

 はぁ〜、あぶなっかしすぎる。




 ずるずると道の真ん中から店側に移動する。

 レンガの壁にもたれつつきいてみた。



「また迷子にでもなってんのか?」


 びくりっ


「……っ」


 村娘が気まずそうに目をおよがせてる。

 ははぁ、まーた迷子になってさまよってたワケか。

 


「でぇー? 今度はなにを探してるんだ?」


「えっと、いやあのー」


 これもなにかの縁ってやつかー。


「しゃーない案内するぜ?」


「えええっ」


 俺の提案に赤ずきんが声をあげた。



「だだだ、大丈夫です」


「今は時間もあるし、この辺はたいへんだしなぁ?」


 こんな赤ずきんがてくてく歩いてたら、ぶつかるだけじゃなくあぶないしー?

 それにちょうどいい暇つぶしになる。



「……いえ、あのそんなっもうしわけないですからっ」


「村なかまだろー? えんりょしないでいってくれ」


「……っ」



 ははっと笑いながら言った俺の言葉。

 村娘のシアがおもわず笑った。



「……はい、ありがとうございます」


「んーそれで? どこいきたいんだ?」


「えっと、糸屋さんを……手芸店を探してて……」



 ぱらりと見せられたメモ書き。


 ふーん? なるほどね〜。

 行ったことはないが、場所はわかるとこだ。



「場所の方向さえわかれば自分で……」


「たしかこっちだ、いこうぜ?」



 俺はさっそく村娘を案内した。





 読んでいただきありがとうございました。



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