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第67話 ギルドの受付係① ―ヘーゼル―

冒険者ギルド受付係ヘーゼルのお話。

全3話です。ちょっと読みにくいかもです。

よろしくおねがいします。


「はぁ、ようやくおわった」


 僕はため息をついた。

 受付カウンターでぐったりしつつも書類をまとめる。


《冒険者ギルド》で仕事をはじめて早3か月か……。新人研修もままならない状態で現場にって駆りだされたけど……ホントに大変だ。



 爆発的に人気になった冒険者ギルド。


 増築に増築を重ねる巨大なこの施設はすでに一部迷宮と化し大混乱を引きおこしている。



 仕事を効率化する為に魔法具を導入。

 あふれる利用者、増員する職員。

 人が人を呼び建ち並ぶ店の数々。


 古い城下街より冒険者ギルドの新しい店舗目当てで若者が集まりデートスポットと化した。


 トントンと書類と魔法具の黒板を手にしふり返る。


 先輩方が机に突っ伏してたり、ガリガリとペンをはしらせたり、ガチャガチャとアイテムを整理してたりと大変そうだ。


 必死な顔、笑ってる顔、無表情。

 でも共通することは全員目がすわってる。

 僕は身震いした。


『アンデッドモンスター』

 実物は見た事はないけれど、職員たちの姿がそれを思わせた。


「お疲れさま、ヘーゼルくん」


 上司が疲れを滲ませながらも声をかけてくれた。


「遅くまですまないね。仕事はおわり?」


「はい、今日の書類ぶんは……」


「ならすぐに帰宅して、ゆっくり休むといい」


 そう、明日も早いのだから――。



 ◇



 ――早朝、《冒険者ギルド》にて。

 受付カウンター係の職員が集まり、朝の業務連絡と雑談をする。



「ええっ今日は先輩方3人もお休み⁉」


「ああ、すまないね」


 同期の受付嬢アイビーさんが悲鳴を上げるように確認した。


 避けられない事情とはいえ3人も……。

 新人受付係たちは戦慄した。


「人員確保の為に各ギルドから応援を呼んでいる。バックヤードの何人かは受付にまわる。《魔術ギルド》それから《盗賊ギルド》から応援が入り後方支援、協力する事になった」


「……なるほど」


 別館とはいえ同じ敷地内の盗賊ギルド。

 そして魔術師ギルド出張所も同じ施設内にある。


 本業の方たちなのでクエストアイテムの確認、買取等、強力な助っ人になりそうだ。



「それと警備隊が不足の為、急遽、期間限定ではあるが《傭兵》を雇う事になった。まだ連携が完全ではない、連絡はしっかり行うように」


「「「はい」」」


《冒険者ギルド》はとにかく人(他種族含む)が多い。

 あらそい事、受付カウンターで納得出来ずに騒ぐ利用者。事件も多い。

 それを制し守る警備隊。その役割は重要だ。


「傭兵さんか〜強そうだから安心だね」


「どーかなー? 冒険者ギルドに理解あればイイけど」


「まぁ、たしかに」


「うちは意外とマナーうるさいトコだからなぁ……間に入る職員は大変そうだな」


 冒険者ギルドマスターは貴族の方なので、

 マナーやルールがちょっと細かく厳しい部分がある。


 制服もその一つ。服飾ギルドと連携して、各ギルドに制服を提案したりと何かと活躍してる方だ。


 受付嬢アイビーさんは冒険者ギルドの制服が素敵だからと就職した組だ。


 僕は冒険より《冒険者》に憧れがあって好きだからサポートの形で仕事についた。……現場は想像してたのよりすごいところだったけれども。


「今日も頑張ってのりきろー♪」


「あー、無理せずにだなぁ」


「んじゃ、明日倒れない程度に〜?」


「やな掛け声だな、それ……」


 解散して、それぞれの持ち場へと席につく。


《冒険者ギルド》の1日がはじまった。


  

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