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第62話 神々の古代遊戯 ―前編―

神々のゲーム。全2話。

わいわいしてるだけのお話です。

読みとばしても本編に影響はありません。

よろしくおねがいいたします。



 ――やわらかい陽射しの昼下がり。

 わいわい皆でピザ作りを楽しんでお昼をいただいたあと、

 雑談をしながらそのままゲームのながれになった。



 聖職者リヒトくん、

 騎士テオドールさん

 冒険者ユリウス、

 商人ヴォルフガング


 そして宿屋の主人ことルーシア


 それぞれが食堂の席へとついた。



 スッと商人ヴォルフガングが立ち上がる。



「これからはじめるのは神々のゲームだ」


「……神々の遊戯、ですか?」


「そうだ古代人が作りだした、

 ――――その名も神々の古代箱庭遊戯フルーク・アエテルニターティスゲームだ」


「へぇ〜、そんな名前だったんだ」



 ふるあえー? なんたらゲーム……?


 ただの古いゲームかと思っていたら

 ちゃんとした名前があったんだね。

 はじめてきいたよー。

 それにしても長いな。略してふるゲーでいいかな?



「なるほど、きいたことがあります」


「おおっそうなのかリヒト?」


「そのゲームを集めている貴族の愛好家や、収集家コレクターの方々がいるとか」



 聖職者リヒトくんの話に、騎士テオドールさんがへぇぇとふたたび感心した声をあげた。



「古代人のアイテムはとても貴重だからね〜」



 冒険者ユリウスも、うなずきながら補足してる。



「……ふん、ただ収集しているだけのくだらない連中だ」


 商人ヴォルフが腕を組みながら鼻を鳴らす。



遊戯(ゲーム)は遊んでこそ、だ。そう思わないか?」


「いやまぁ、たしかに?」



 いっぽう的なつよい意志の問いかけ。

 焼き菓子を口に放りこんだ騎士テオドールさんがとりあえず応じてる。



 ……うーん、言いたいことはわかるけど。


「大好きなら集めたり、ながめたり、飾ったりするだけでも。べつに良いと思うんだけど?」


「ほう、君がそれを言うのか」


「ええ〜……」


 やさしい眼差しでヤレヤレとする商人にクスクスと皆さま方が笑った。

 



「それでさっそくだが……お前たちを試させてもらう」


「ん? 試すって?」


「この古代の遊戯を行うにはまぁ、いろいろ条件があってだな……。簡単に説明するとゲームに気にいられた者(・・・・・・・)にしか遊ぶことはできない」


「な、なるほど〜」


「わははっそっからなのかよぉ!」


「古代の魔道具アイテムは特殊だからね〜」



 うーん? そういうのがあったんだー。


 『古代の遊戯』が遊ぶモノを選り好みしちゃうとか。

 ちょっとめんどうなゲームだったんだ……。

 


「なので、手初めに1番簡単なゲームからはじめよう」


「わかりました」



 はぁぁ〜よかったぁぁ〜。


 いきなり前回の、

 あのすごーく時間のかかる。


 『星空ゲーム』からはじめよう!だったら

 どうしようかと思ってた。


 はじめてだから

 初心者向きのゲームから遊ぼうってことだよね。

 うんうん。



 ヴォルフが準備していた箱からカードを取りだす。

 しゅるりと紐を解いて華麗に札をさばいた。


 バララララララッ



「おい、すげぇな……⁉」



 右手から左手に、

 上から下へとカードがキレイに流れる。


 うわぁ、すごい。

 まるで魔法みたい。



「神々の遊戯ゲーム、覚悟はできているのか?」


 ピッとカードとめニヤリと笑った。

 引き返すなら今のうちだと言わんばかりの表情。

 皆さま方がおもわず笑顔になる。



「はーい♪」


「ふふ、よろしくおねがいします」


「んあー、ほいじゃま頼んますわよろ〜ス」


「俺、楽しみ。よろしくです」



 それぞれのこたえに商人ヴォルフガングがうなずいた。



 ◇



「では、さっそくだがはじめるぞ」


 カードを手にして、祈りを捧げるように目をとじた。

 その表情は真剣そのモノで皆さま方がすこし面食らう。



「オイ、いきなり本気モードかよ」



 はじめる前の神聖なる儀式。


 ――いつでもゲームに全力の姿がそこにあった。



 シュッ シュッ シュッ


 カードが1枚1枚それぞれに配られる。

 裏面のまま数枚の手札がテーブルを舞う。



「ジョーカーゲームをしっているか?」



「あー? アレだろ。よく見張りの塔でやってるぜー」


「俺も冒険者仲間パーティメンバーたちと酒場でたまーに遊んでるかな?」



 トランプの王道『ジョーカーゲーム』だ。


 別名、ジョーカー抜きゲーム。


 それぞれが4種類の手札をもち、

 相手が札を抜きながら絵柄を合わせて、

 最後までジョーカーを持っていた人が降参となる。



「まぁ、アレと規則ルールはおなじだ」



 商人ヴォルフガングがこたえた。

 すこし困った様に聖職者リヒトくんが口を開く。



「僕は遊んだことはありませんが、知識だけはあります」


「マジかよっ リヒトぉ」


「ええ、遊ぶ機会にめぐまれなかったので……」



 申し訳なさそうに返事してる。

 うーん。リヒトくんのお家はちょっと厳しそうな感じなのかな? 遊戯ゲーム禁止、だめだよーとかだったのかな?



「とっても簡単だし、大丈夫だよー♪」


「……ルーシアさん」


「んだなっ余裕っしょ〜」


「うんうん。俺もフォローするからね」


「みなさん、ありがとうございます」



 とてもうれしそうにほほ笑むリヒトくん。

 皆さま方の言葉に丁寧にぺこりと会釈している。 



 そっかー。

 リヒトくんって

 はじめてゲームを遊ぶことになるんだー。


 あまり覚えてないけど、

 ヴォルフと遊ぶ時、ずっと2人だけだったから

 今はこうして皆でテーブルをかこんで楽しいな。



「どうしたのルーシア?」


「うん。ゲームはやっぱり人数多いと楽しいなーって♪」


「あはは、そうだね」



 しかしジョーカーゲームか。

 2人で遊ぶとちょっと大変だよね。

 

 だってジョーカーの手札は自分か相手どちらかだし。

 ――ぜひとも3人以上で遊んでほしいゲームだ。



「では、よいかな? オープン・ザ・カード」


 ピッ それぞれがたぐりよせた手札を開いた。


「「「!?」」」


「なっ……!?」



 配られたまっ白な手札に皆がびっくりした。

 カードには数字も絵もなにもない。


 ―――おどろきの白さだ。



「はぁ? なんじゃこりゃああぁぁっ!」


「えっと、これはいったい……?」


「…………?」



 テオドールさんが叫んで、ユリウスが困惑した。

 聖職者リヒトくんはカードをみて不思議そうにしている。



「おいおい、ヴォルフさんー? まず説明よろしくー」


「先ほども説明したはずだが?」


「は?」


「ルールはジョーカーゲームと同じだ」


「いやいやいや〜、わかんねぇッス」


 ぽむっ


 商人ヴォルフの説明に騎士テオドールツッコミをいれた。

 説明の方向がたぶんまちがえてる。

 ホントに商人かうたがいたくなるような返しだ。


「みたところ、全員まっ白ってことかな?」


「これが……ジョーカーゲーム……」



 とまどいつつも状況を確認する冒険者ユリウス。

 聖職者リヒトくんが、ぼうぜんとつぶやく。



「ああ、驚くのもムリはない。これは、説明するより遊んだ方が早いからな」


 「なぁ、そうだろうルーシア?」と

 目で言わんばかりの視線を投げかけてきた。


 わぁぁっ

 いきなり話を振られてびっくりした。



「えっと、うん。そのほうがいいかも?」


 うなずきながらとりあえずフォローする。

 ゲームは遊びながら、おぼえた方がいいってことだよね?



「あ、ルーシアはこのゲーム遊んだことあるんだっけ?」


「……うん。子どもの頃にだけど」



 んー、なんだっけ?

 楽しいゲームだった気がする〜。……たぶん。


 さすがに幼少期に遊んだゲームのこととか、

 あまり覚えてないよー。

 まぁ、ゲームだし大丈夫だと思う。



「とりあえず、一周まわってみよう」


「はじめてだから、たがいに手札みせあいながらだな」


「よかろう」


 不敵な笑いを浮かべた商人ヴォルフがスッと札をさしだした。


 


 読んでいただきありがとうございました。



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