表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/105

第29話 裏庭のハーブ園 sideテオドール③



「……んぁ?」 


 ぱちりっ


 俺は目が覚めた。


 うーっもう朝か? まだ寝たりねー。

 昨日は疲れた。まだねみぃー。

 パーティーに深夜の恋バナ。

 幸いに今日は昼勤、もうちょい寝るぞ。


 抱き枕にキスしながら顔を埋めた。


 きゅうううぅぅ〜んっ


 そーいや昨日パーティーの令嬢方……。

 美しいお姉様方や可愛い娘多かったな。

 いろいろ食いそこねた。

 まさかあの方が、突然会場に来るとは……!


 二度寝の為に頑張って目を閉じる。

 って、いっこうに眠気がこねぇぇぇ!


 ガバッ


「しゃーねぇ、一旦起きるかぁ」


 名残り惜しげにベッドから立ち上がる。


 ガサガサッ


 ん?


 ガコッ


 2階宿泊部屋の窓を開けると、

 裏庭で魔法具シャワーを手にしてルーシア嬢が作業をしている。


「よーし!いってみよー♪」


 ぱんぱんぱぱん☆


「らんらんるーららら♪」


 手拍子をして踊りながら歌ってる。

 植物に霧状の雫が降りそそぐ。


 キラキラキラキラ〜♪


「……。」


 精霊や妖精たちと歌い踊る。小鳥も集まり大合唱。

 見た目だけは天使が確かにそこにいた。


 キラキラキラキラ〜♪


 光の粒子と歌声で、体の疲労度が回復した。


(ホント、精霊とか妖精の力すげぇなー……職場にも遊びに来てくんねーかな?)


『竜のあくび亭』ならではの宿屋の特典。

 しみじみため息がでた。



「みんなー!ありがとう〜♪」


 チュンッバサササッ ふわふわ〜っ


 鳥や妖精たちがいっせいに飛び立った。


(ん? おわったのか?) 


 ルーシア嬢がお礼の挨拶をして、せっせと薬草摘みあげる。



「ふふふっ」


 一生懸命に作業する姿を見て、思わず笑った。


「テオドールさん…!?」


 驚くルーシア嬢に、2階の窓から手をふる。


「い、いつからそこに!?」


 ガシッと窓枠を掴み身を乗りだす。


「よっと」


「ひぇ!」


 ドサッ


 裏庭へ着地する。

 ルーシア嬢がびっくりして、目を丸くしてる。可愛いな。


「あわわっ」


 にやっと笑いかけた。


「『よーし!いってみよー♪』の掛け声あたりかな?」


「うわああぁ」


(ほーん? ぷるぷる震えてやがるぜ。

 日課のくせに、やっぱり見られたら恥ずかしいんだなーアレ)



「おはよーさん?ルーシアちゃん」


「帰ってたんですね」


「ああ、だいぶ遅くだけどな」


「……えっと、あの!リヒトくん起きてた……?」



(おっとぉ、リヒトを心配してる?)



「あー、あいつ? 食堂で魔導書抱えて突っ伏して寝てたな! わははっ」


「うううっやっぱり!!」


(先に寝かしつけられたのに心配してるあたり、俺のいなかった間に変なコトはされてねーみたいだな?)


 リヒトが無体をはたらくワケねーとは思うが、一応確認っと。


 こころの中でホッとため息をつく。


「安心しなよ? 戸締まりはちゃんとしてたぜ。まぁ、面倒くさいんで、そのまま抱えて部屋のベッドに放り込んだがな」


 ウェーイ! っとドヤ顔で片手を上げる。


(勝利宣言! あの方の為にルーシア嬢の身の安全は大事だからなぁ

 ……ただし恋愛は自由! 俺は勝手にリヒトの応援組だかんなっ)


「まー、ちょい頑張り過ぎだが背伸びしたいお年頃ってね〜♪許してやりなよルーシアちゃん?」


「……? よくわかりませんが……リヒトくんの事、ありがとうございました」


(おー、おー、可愛い可愛い〜♪ 保護者気取りで頭をさげてお礼をしてる)



「くくくっ」


 笑いをこらえてると、ルーシア嬢が不思議そうに目をむけた。

 

 星空の瞳と見つめあう。――金色の髪と華奢な体付き、色白な肌と……思わず抱きしめたくなるような、天使や妖精の類の少女がそこにいた。


 うーん、わるかねぇケド。それはちと違うんだよなぁ。


「お礼はがっつり肉料理でいいぜ♪」


 天使が呆れた顔でジトっとした目をむける。

 いつものルーシア嬢がそこにいた。


 俺は笑って、その態度に満足した。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 読んでいただきありがとうございました。 script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ