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第10話 おそうじタイム

説明回的なお話です。

読み飛ばしても本編に影響はありません。

よろしくおねがいいたします。




 ガチャリッ



 マスターキーで各部屋を解除する。

 

 宿泊6部屋の内、おそうじは3部屋だけ。

 聖職者リヒトくん、騎士テオドールさん、冒険者ユリウスの部屋だ。


 残り3部屋。緊急時以外は、

 お客様が戻ったときだけの清掃になる。


 しばらく改装中で

 立ち入り禁止ってコトだけど……。


 何か変なモノとか置いていないよね?

 身元は確かな人達だから大丈夫だとは思うけど。


「――しかし《宿屋の主人》が

 入れない宿泊部屋とはいったい」

 

 とりあえず作業にとりかかった。



「るんるんるーん♪」


 シーツ交換、タオルの補充、消耗品の確認。

 掃除をしながら、部屋をまわる。



 ガチャッ



『聖職者リヒトくん』の部屋。


 整頓された生活用品。

 こぢんまりと魔導書が何冊か置かれている。


「うん、貴重面なリヒトくんらしいなぁ……」


 丁寧に客室をご利用いただけてうれしいです。

 大変たすかります。

 ささっと作業をおえて部屋をあとにした。



 ガチャッ


 「うわぁ……」


 『騎士テオドールさん』の部屋だ。


 あちらこちらに服が散らばっている。


 まとめて回収してお洗濯。

 特殊な服はクリーニングへ。

 お休みの日はパーティーに参加しているからだ。


「て、テオドールさん……。すごいなぁ。

 これはもう実家のごとくなくつろぎようだね」


 花とかいろいろなものを入れかえたりする。

 とても掃除や片付けしがいがある。


 くつろげるのは良いことだ。


 せっせと運びながらテオドールさんの部屋を作業した。



 ガチャッ


 「……ふぅ」


 『冒険者ユリウス』の部屋。


 何もない。

 一切の私物は置いてない。

 完全に倉庫利用のついでと借りてる部屋だ。


「冒険者的な感じなのかな?

 でも……何もないこの部屋にユリウスのやさしさを感じる」


 なにか《急なお客様》が訪れた際には、

 この宿泊部屋を自由に使って良いと許可ももらっている。


 たぶん、もしかしたらだけど……。

 おじいちゃんのお客様が来るかもしれないと、

 想定しての配慮なのかもしれない。


 ありがたいなぁ〜。祈るように心で感謝した。



「そういえば明日だったよね」


 城下街じょうかまちの屋敷から

 『竜のあくび亭』へと宿泊。

 ――そして、また冒険へとでかける。


「いつもなら、たしかお昼頃にここに到着するはずだから、ごはんとか多めに準備しないとだね♪」

 

 冒険の話もしてくれるみたいだし。

 わくわく楽しみだ。

 

「今回はリヒトくんとテオドールさん。

 そしてユリウス。

 ちゃんと3人とも会えたらいいなぁ」


 なぜか長期宿泊客なのに出会えてない。


「んー、なかなかタイミングが合わないんだよねぇ。初顔合わせできたらいいんだけど」

 

 気が合いそうだし。


「よし、完了〜♪」


 簡単な清掃と空気の入れ替え、そっと部屋をあとにした。



 ◇



 『竜のあくび亭』の求人、

 ずっとずーっと募集しているんだけど……。

 ぜんぜん来ていただけない件。


「はぁ〜、ホントにこまったなぁ」

 

 面接採用をかってでている、

 後援者の方々にも迷惑をかけちゃってるんだよね。


「うううっまさか宿屋をはじめていきなり満室になると思わなかったし」


 かなり好条件で募集をしているけど、

 ギルド中心街が発展中で人気過ぎてすでに人材不足。


「ここまでとは、なんてことなのーっ」


 人手不足おそるべし……!


 閑古鳥たちが大合唱をやめて飛びだったら

 お客様がたくさん。従業員がわたしだけ……。


「どうか一緒にお仕事をする方が来ていただけますように」


 神さまとおじいちゃんに

 お願いしつつ祈りをささげた。


 


 読んでいただきありがとうございました。



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