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世界史講義録 ロシア史への誘い  作者: 鸛
ロシア史基礎編
72/75

ゴルバチョフ⑤ 新思考外交と冷戦の終結

前々回講義録では、ペレストロイカについて言及し、また、前回講義録にてペレストロイカの一例であるグラスノスチを紹介しました。


今回は、ゴルバチョフの外交方針である「新思考外交」を紹介しましょう。


ちなみに、人によっては、「ゴルバチョフが行った三大改革がペレストロイカ、グラスノスチ、新思考外交である」という見方をする方もいますし、そのように学ぶかもしれません。


私も学生時代そのように学びました。


しかし、ペレストロイカとは、色々調べると新思考外交やグラスノスチを含む広い意味でのソ連の構造改革として解釈するケースも多数あります。


この講義録でも、ペレストロイカの定義について「共産党支配体制、経済政策、情報開示、外交方針」を含めた多分野における改革であるという見方をしたいと思っています。


※あくまでこの講義録では三大改革という見方をしないので、お気をつけください。


話はそれましたが、新思考外交について解説します。ゴルバチョフが唱えた新思考の基本的な考え方は下記の通りです。


◆◇◆◇◆◇



「全人類の共通利益を追求することが自国の利益にもつながる、すなわち世界の安定が自国の安定にもつながる」



◆◇◆◇◆◇


つまり、これまでの社会主義の考え方と異なり、東西の対立や階級闘争ではなく、人類の共通利益を第一に考えた外交といえます。


この考えのもとで行われたのが軍縮です。1987年にはアメリカとソ連のもとで、中距離拡戦力(INF)全廃条約が結ばれます。


また、1988年にゴルバチョフがユーゴスラビアのベオグラードを訪れたときに新ベオグラード宣言を公表します。


新ベオグラード宣言とは、1968年のチェコ事件の時に提示されたブレジネフ=ドクトリンの制限主権論を否定し、東欧諸国の自立と民主化を支持する宣言です。


この声明を受けて、東欧民主化運動が活発になります。そして、1989年には、東ヨーロッパ諸国で共産主義政権が次々に倒されていきます。※これが所謂「東欧革命」です。


更に、1989年になると国連の和平案を受け入れてソ連のアフガニスタン撤退を決議します。ソ連としても戦争が泥沼化していましたし、軍事費削減を目指していたので、アフガニスタンの撤退は望むところでした。


最後にこれが重要です。1989年になるとゴルバチョフとアメリカのブッシュ大統領が地中海の真ん中で冷戦の終結を宣言します。


これが、有名なマルタ会談です。こうしてゴルバチョフの時代に長く続いていた冷戦は終わりを告げたのです。




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