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世界史講義録 ロシア史への誘い  作者: 鸛
ロシア史基礎編
53/75

スターリン⑯ ソ連の核兵器開発の歴史

⑮で終わればいいものの⑯まで来てしまった。

しかも、路線がマニアックになっている。入試には出ませんが、ソ連とアメリカの核開発競争の背景を理解する上で不可欠と思っています。

皆様は、ふと疑問に思ったことはないでしょうか?


アメリカが核兵器を開発するや否や、歴史を遡ると、ソ連も直ぐに核兵器を開発に成功します。


しかし、核兵器とは、アメリカ、カナダ、イギリスの三国が、マンハッタン計画のなかで科学者を募って開発に着手した技術です。


そこにソ連の姿はありませんでした。何故、参加していないソ連が核兵器をすぐ作れたのでしょうか。


本日は、そこにフォーカスしてソ連の歴史を語りたいと思います。


まず、冒頭の質問の答えですが、結論からいうとソ連のスパイによります。


スターリンは第二次世界の頃から、アメリカに沢山のスパイを送り込むようになります。


例えば、ソ連はベリヤを長官とする秘密警察のスパイ活動によって米英の核開発の状況を正確に把握していました。


また、マンハッタン計画に参加していた科学者の中にも、ソ連のスパイが多数いました。


一例をあげると、セオドア・アルヴィン・ホール等の理論物理学者が、実はソ連のスパイだったのです。


彼は、マンハッタン計画でアメリカの原子爆弾開発に貢献した人物でした。ところが、その傍らでスパイとしてソビエト連邦のために活動していました。


この時、プルトニウムを用いた原子爆弾「ファットマン」の詳細な設計や、プルトニウムの精製方法といった機密情報をソ連に流し続けていたのです。


こうして、ソ連は、アメリカの核兵器の機密を入手することに成功し、ドイツを撃退すると核兵器開発に着手し始めます。


※この時、ソ連は地図に存在しない秘密都市を多数つくって秘密裏に核実験を行うようになりましたね。


そんな状況でしたので、スターリンはトルーマンに、アメリカから核兵器という強力な新型兵器を開発した、と聞かされても驚かなかったのです。


スターリンが興味を示さないことに、トルーマンはショックを受けたと伝えられていますが、既にアメリカの情報はソ連に筒抜けだったのです。


しかし、トルーマンに衝撃を与えたのは1949年です。


この年になると、ソ連も核兵器開発に成功しました。アメリカは、カザフスタン国境近くで放射性降下物を観測し、ソ連が原爆実験に成功したことを確認しました。


このニュースは、アメリカ国民を恐怖させます。


トルーマンは、直ちにより強力な水爆の開発に着手します。

ところが、アメリカが水爆を作るとソ連も直ぐに水爆を開発します。


こうして、冷戦の時代、ソ連とアメリカは核兵器開発競争へと発展するのでした。



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