スターリン⑮ 北朝鮮の始まり 金日成は偽名だった
北朝鮮の成立には、ソ連のスターリンが大きく関わっています。
第二次世界大戦中に、ソ連は日ソ不可侵条約を一方的に破って日本が統治していた満州や朝鮮に侵攻しました。
※北方領土問題のときに、お話ししましたよね。日本に原爆が投下され、混乱しているタイミングでソ連が侵攻してきます。
この時、ソ連は朝鮮半島全域をソ連領にしようとしました。しかし、アメリカがこれに抵抗します。
結果、朝鮮半島は北緯38度線を境に南北に分断されて統治されるようになります。
こうして、朝鮮半島の北に朝鮮民主主義人民共和国が成立し、南に大韓民国が成立しました。
さて、この北朝鮮という国ですが、金日成が初代首相に就任したことを勉強したと思います。
では、金日成とは一体どんな人物だったのでしょうか?
実は、金日成というのは偽名です。
この時、金日成の本名は、金成柱「キムソンジュ」と呼ばれるソ連の大尉でした。
スターリンは、北朝鮮を支配するにあたってソ連のいいなりになる駒を探していました。
その時、候補者として上がったのが金成柱であり、スターリンが面接します。
結果、金成桂はスターリンのお気に入りとなり、北朝鮮統治の指導者に任命されるのです。
ところが、金成柱は指導者になる上で「無名」の人物でした。
そこで、スターリンは有名人である「金日成」に成り済まさせることで、北朝鮮を支配させようとするのでした。
では、本当の金日成とはどんな人物だったのでしょうか。
金日成は、シベリア、満ソ国境で反日独立運動を指導していた人物であり、朝鮮人の英雄と考えられていた人物です。しかし、1942年、スターリンの大粛清で獄死します。
ここから、金成柱は金日成になりすます準備を行います。
金成柱は、1945年に9月19日にウラジオストクからソ連の軍艦プガチョフに搭乗して元山港に上陸、ソ連軍第88特別旅団の一員として帰国を果たします。
同年10月14日に平壌で開催された「ソ連解放軍歓迎平壌市民大会」において、金日成として朝鮮民衆の前にその姿を現しました。
勿論、本物の金日成を知っている人物が偽物だと文句を言うのですが、そのような声を挙げたものは、ソ連軍によって銃殺されるのでした。
こうして、北朝鮮は、スターリンのサポートのもと金日成が政権を樹立するようになりました。
そして、これこそが今日の北朝鮮の始まりなのです。
朝鮮半島の歴史も別途やる予定です。
あとは、知ってのとおり、金日成こと金成柱が大韓民国に侵略を開始することで、朝鮮戦争が勃発します。
なお、朝鮮戦争はしばしば代理戦争と言われます。ところが、朝鮮戦争の後半は毛沢東の精鋭部隊が乱入してきたり、ジェット戦闘機にのったソ連兵も乱入していました。
より詳しく語るなら、そもそも、北朝鮮軍には航空戦力はありませんでした。しかし、米軍の大型爆撃機を迎撃するために、ミグ15ジェット戦闘機が迎撃に来ました。
このジェット戦闘機にのっていたパイロットが、実は北朝鮮の軍服を来ていたソ連兵でした。
ソ連兵は、朝鮮軍になりすましてアメリカ空軍と戦っていたのです。
そうすると、代理戦争ではなくて「ガチ戦争」なのですが、高校の教科書は、金成柱が金日成になりすましていたこととか、ソ連兵が乱入していたこと、などの話は伏せられていて「米ソ代理戦争」という見方がされます。
受験生は米ソ代理戦争という解釈をしてほしいのですが、「本当か?」と思います。




