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世界史講義録 ロシア史への誘い  作者: 鸛
ロシア史基礎編
36/75

スターリン④ 一国社会主義論とスターリンの考え方

スターリンのライバルであったトロツキーは、スターリンについて下記のように述べています。


「スターリン政権とレーニン政権とは、血の川によって隔てられてしまった。」


「スターリンは反対者の意見にではなく、その頭蓋骨に攻撃を加える。」


この言葉の通り、スターリンは粛清にはじまり、数多くの屍の山を築き上げてきました。


しかし、スターリンは、何故、このような政策を行ったのでしょうか?


それを考えるに当たって、スターリンがどのような人物か?もう少し詳しく見ていきましょう。


まず、スターリンは、一国社会主義論というイデオロギーの持ち主でした。


トロツキーの場合は、「ロシアには農民が多く、後進国であるからこそ、今後、革命で勝利するためには西欧で革命を進めていき、社会主義への支持を集める必要がある」と考えていました。


これを世界革命論といいます。これに対して、「社会主義建設は、ソ連一国だけで可能」としたのがスターリンであり、この考え方が一国社会主義論です。


そして、スターリンは、国民の血を前提とした政策によって、このイデオロギーを実現しようとしたのでした。


また、スターリンは、暴君であったイヴァン四世をこよなく愛し、自分をイヴァン四世と重ね合わせていたといわれています。


※スターリンは、最もロシアの歴史の中で真似してはいけない人物を模倣していました。


だからこそ、スターリンは、人民を人民とも考えず下記のような言葉を残しています。


「反抗心のない無力な労働者を育成するには、密告を奨励し、給食を飢餓すれすれにして、 ちょっぴり食い物を増やしてやると彼らにたきつけることだ。 そうすれば、労働力を最大限に引き出せる。彼らの苦情など一切無視すればよい。 そうすれば、人間の個性や主張など簡単に打ち砕くことが出来るのだ」


この考え方があったからこそ、スターリンは穀物徴発を復活させます。


結果、ロシア国内にとどまらず、ウクライナで沢山の餓死者がでましたが、そもそもスターリンにとって、労働者が空腹の状態こそ、労働生産性を高める最良の状態と信じていたのです。


粛清についても同様です。スターリン語録に次のような言葉がございます。


「死が全てを解決する。人間が存在しなければ問題は起こらない」


このように考え、そしてスターリン自身誰も信じていなかったからこそ、スターリンの粛清は加速していったと思われます。


以上の点から、スターリンの人物像を考えていくと、スターリンは革命が生んだモンスターであったといえるでしょう。


最後に、スターリンを忠実に模倣した人物が、毛沢東やポルポト達であり、今日問題になっている社会主義国家の負の遺産は、スターリンが生んだものと言えます。




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