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世界史講義録 ロシア史への誘い  作者: 鸛
ロシア史基礎編
16/75

ロシアの極東進出 ロシア史と日本史が遂に繋がる!

19世紀中頃になると、イギリスやフランスが中国に進出するようになります。


例えば、イギリスはアヘン戦争によって、中国の清王朝に対して広州等の港の開口を迫り、香港の割譲も認めさせます。


その後も、アロー戦争という戦争をイギリスとフランスが起こします。これにより、イギリスやフランスは清王朝に対して、漢口や南京など10港を開港させます。なお、この戦争で九竜半島の一部をイギリスが手にいれました。


※この辺の詳しい話は、将来執筆するであろう中国史シリーズで書きます。ここで言いたいのは、イギリスやフランスが中国に進出を行っているということです。


さて、ここからが重要です。この混乱している中国の様子を見て「俺も混ぜろ」とやって来た国がいました。


皆さんなら、もう解るはずです。


それが、本稿のテーマであるロシアです。


ロシアは、アロー戦争で混乱する中国に対して、1858年「アイグン条約」を締結させます。


アイグン条約では、アムール川(中国名は、黒竜江)以北の領土をロシアの領土にすることが決定されます。これにより、ロシアは中国方面に大幅に南下していきます。


更に、アロー戦争後のイギリス、フランス、そして清朝の講話に介入し、「講話を手伝ったんだから俺に領土を寄越せ」といって、ウスリー川(中国名、松花江)より東の地域も領土にしてしまいます。


この地域がいわゆる「沿海州」と呼ばれる地域であり、大雑把にいうと、北海道からみて大体西側の地域です。なんか、日本にどんどん近づいてますよね(笑)


そして、沿海州の南端に「ウラジヴォストーク」という軍港を作ります。この「ウラジヴォストーク」は、ロシアが極東に出入りするための重要拠点になったのです。


こうして、1860年にはロシアが日本の近くにやって来るわけです。そして、ここから、日本史ではロシアとの「複雑なお付きあい(笑)」が始まります。


例えば、幕末の日本では、1861年ロシア軍艦が対馬を占領する「ロシア軍艦対馬占領事件」という事件が起きます。


また、1875年になると、日本とロシアの領土をはっきりさせましょうということで、千島樺太交換条約を結ばれます。


そして、ベルリン会議では、ビスマルクのせいで地中海南下は失敗し、挫折しました。しかし、そこから、ロシアは極東進出に更に熱を入れるようになります。


すなわち、地中海では失敗したけど、不凍港のターゲットを満州方面にしようとするのです。


そのため、ロシアは、シベリア鉄道を作り始めるのです。シベリア鉄道は日露戦争中に完成し、重要拠点であるウラジヴォストークと首都モスクワを結びました。


更に、日本が日清戦争を行い、中国から遼東半島を獲得したときに、ロシアが「ちょっと待った」ということで、日本にストップを呼び掛けます。ロシアは、フランスとドイツを巻き込んで、日本の遼東半島獲得を無効にします。これが、三国干渉です。


この背景は、不凍港を日本が先に獲得してしまうことが、ロシアにとって面白くないからだったとわかるでしょう。


こうして、教科書で勉強してきた日本史とロシア史が繋がりました。ロシア史から日本史を眺めてみると、面白いと思いませんか?


何故なら、ロシア側の歴史を学ぶことにより、何故日本とロシアの対立が深まったか?理解しやすいからです。


こうして、舞台は日露戦争に突入するのです。


次回は、遂に日露戦争の解説します。歴史の戦争のなかで、日露戦争から学ぶことは個人的に沢山あると思っています。


力をいれて解説しますので、宜しくお願いします。









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