日常1 ~まったり学園らいふ~
時間がないので短いです。すみません
炎天下の下、グラウンドの上。
青い炎と、不自然な砂煙が起こる。青い炎は人の形になり、やがて一人の、少し青みがかった黒髪の少年となった。その前にある、小さな竜巻の横には、橙に近い茶色の髪を肩の辺りで切り揃えた、小さな少女が刀を構えて立っていた。
少女は少年の方へ駆けていく。刀の刃は淡く橙に光っており、目を凝らせば実体がないのがわかる。
少女の刀が少年の手へ振り下ろされる。少年はそれを難なくよけるが、少女の刀はすぐに軌道を変え、少年の頭を狙った。少年は半歩下がって刀をよけ、少女に拳を叩き込もうとする。しかし、少女はその攻撃を見事な足さばきでよけた。少女はその勢いのまま、体を回転させながら少年に斬撃を叩き込む。少年はよけられないと判断したか、体を再び炎に変えた。
少女はその炎の中に突っ込んだ。
「熱っ!」
少女は叫んで、勢いを減らせないまま前に突っ走っていく。
少女はしばらく走ってからヨタヨタと足を止めて、涙目で少年の方に振り返った。
「ほたるぅ!今絶対やけどさせようとしたでしょ!」
螢と呼ばれた少年は、人の姿に戻り、冷や汗をかきながら弁明する。
「違う違う違う違う!火傷しないように調整してるからっ!誤解だから!早まらないでのぞみ!」
臨光という少女は、普段はおっとりしている顔を怒り顔にさせて螢をにらんだ。
「よくもおおお!」
とさけんだ臨光の眼が、橙に光る。
臨光は、見た目では考えられない速さで動き出した。
臨光の刀が、視認も難しい速さで斬撃を生み出す。螢は、猛烈な勢いで後ろ向きにダッシュしていく。臨光はそれを猛烈な勢いで追いかける。そのうち、螢は逃げ切れなくなった。螢の体から、ちらちらと青い炎が出始める。
次の瞬間、螢と臨光を青い炎が囲む。炎は臨光へ伸びる。臨光は立ち止まり、足を一度鳴らした。瞬間、臨光の後ろで渦巻いていた竜巻が、彼女を包むように吹いた。臨光の方へ伸びた炎は竜巻で散り散りになった。だが、臨光は竜巻の制御に集中しているのか、攻撃する余裕がない。
ここぞとばかりに、螢は臨光の方へ駆けていく。臨光はそれに気づいてなんとか対処しようとするが、竜巻の制御に集中力をそがれ、どうすることもできない。
「あとでアイスおごるからーっ!!」
と言って、螢は臨光の手前で手をつく。臨光の真下の地面が一瞬青く光ったかと思うと、青い炎柱が発生し、
「きゃああああああああああああぁぁぁぁ……」
臨光は吹っ飛んでいった。
……飛ばしすぎた。臨光の体が空高く舞う。
「やばいやばいやばいやばい」
螢は呟く。螢は臨光が怪我をすることを恐れているわけではない。その後に間違いなく受ける報復を恐れていた。それに、螢は臨光が絶対に怪我をしないことを知っていた。
臨光が落下するであろう位置に、黒い影が寄る。臨光は丁度そこに落ち、黒い影が臨光をキャッチし、臨光を静かに地面に立たせた。
黒い影は、螢の方をじろっと見た。
「悪かったよひぐれ~許してくれよ~……」
と螢は呟く。黒い影―日昏は、百メートルの距離を一瞬で詰め、突然螢の前に現れた。
「お前が反省していようがいまいが、一発殴らないと気が済まない」
日昏がものすごい剣幕でそう言った。
「ちょっ待っ!」
螢の言葉は全く聞き入れてもらえなかった。
グラウンドに打撲音が鳴り響く。螢は後方へ吹っ飛んでいった。螢は空が青いのを見ながら意識を薄れさせていった。
これは、五人の少年少女の物語。
今日も、平凡な一日である。
まだまだ続きます!