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流星への願い
季節は冬、ひばりに朝早くから一緒にランニングしようと誘われた。
「ねえ、好きな人とかいないの?」
学校の帰り道、明日のランニングの時間を話し合っていた時にひばりは笑顔で聞いた。
その時、ひばりが好きと言える訳がなく、いないと答えた。
つまんないと言わんばかりの顔だったがそれ以上、問い詰める事は無かった。
冬の帰り道は暗く星が微かに見えたと思えば、一筋の流星が放物線を描いて空を横切った。
僕は願った、今から何千年も昔に生きていたマンモスが凍って、それから現代になって生きていた時と変わらない状態で発見されたという、ならば。この風景をその氷で永遠にしてほしいと。
でも、その願いは叶うことが無い。