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疑惑の男

楽しんでいただけたら嬉しいです。

「うわあぁーーー!?」

コクトは船上を走り続けていた。

剣が飛び交う戦場を。


しかし。

「ぐぁ!?」

「ぅ」


悟られないように海賊達に一撃を入れて意識を奪っていく。

(わんさかいるな)


船上にはいまだに多くの海賊がいた。

「?」

そこでコクトは気づいた。

(神威を使っている)

海賊の中に神威を使って戦っている奴がいるのを感じた。


神威はこの世に生を受けたもの全てが持っている力だ。学院で学ばなくても神威の使い方を習得する術はいくらでもある。

効率よく会得するなら学院が一番ではあるが。

(神威の使い方が上手い。海賊のような野蛮な奴らにしては)

至るところで神威の使い方に長けた海賊に生徒と苦戦を強いられ始めていた。

それでも生徒会議のメンバー及びランキングに連なる生徒がいるために海賊達の侵攻は衰えを見せ始めている。

コクトは船上にいる者達に気づかれないように船内へと入った。

船内をチェックするためだ。


「船内には船員だけ・・・ではないか」

船員とは思えない強い神威。

突出しているわけではないが強い。


「う、く・・くるなぁ!?」

船員の一人に歩み寄る海賊。

「早く逃げろ!」

海賊にタックルをくらわす。

海賊は壁にぶつかり、崩れる。

船員は恐怖にかられていたが、逃げていくのを確認する。


「逃げたか。さて、こっちも始めるか」

視線を移す。

海賊が起き上がる瞬間だった。

「お前。ただ者じゃないな」

「・・・・・」

海賊は無言を通している。そして海賊の両手に神威が集中していく。

「神威の使い方。馴れているな。どこで覚えた」

海賊は接近、両手を引っ掻くように振るう。

コクトはしゃがんで回避。そして、立ち上がる勢いを利用したアッパーを放った。

しかし海賊は後ろに体を反らし回避した。そのまま後ろ回りを繰り返し距離をとった。

(いい反応だ。やっぱり)

「お前、海賊じゃないだろ。誰に〝雇われた〟」

コクトの言葉に男は無言のままでいる。

男が動く、鋭い徒手空拳がコクトに放たれる。

コクトはそれらを見事に受け流していく。

(さっきよりも鋭い一撃だな。でも・・・・・)

再び、両者は距離をとった。

無言のにらみ合いが続く。


「あんた。やるな。でも、あんた、俺を倒す気ないだろ」

相手の攻撃は確かに凄まじかった。けど、自分を殺すほどの一撃はなかった。つまり相手は自分を倒す気はまったくないのだ。


「何が目的だ」

「・・・・・」

やはり無言。


「大変だぁ!?積み荷が!?」

誰かの叫び声を耳にした。

それを聞いたコクトは男を睨んだ。

男は無言のままではあったがコクトには笑っているように感じた。

コクトはすぐに動いた。

男に背を向けたのだ。

そして走り出した。コクトにはある考えが浮かんでいた。

それが本当なら自分は相手の策にはまっているのだと思った。


コクトは走った。そして船内の積み荷が置いてきぼりある部屋に辿り着く。

そこには、三人の男が船員にナイフを突き刺しているところだった。

コクトは咄嗟に動いた。

「死ねやぁ」

突き出されたナイフを回避。空かさず溝内に一撃。

ナイフを持っていた男は壁に叩き付けられ、気絶した。

他の二人はそれを見て恐怖したのか逃げ出す。

コクトは神威を足に集中。室内に風を切る音が鳴る。

鳴った時には


「な!?」

「いつの間に!?」


驚愕する男達。

コクトは男達の反応を無視して二人に一撃ずつくらわして気絶させる。

三人を倒したコクトは部屋の中を見渡す。


「くそ!?」


コクトは壁に拳をぶつけた。

その表情には悔しさが出ていた。

コクトが見たものは派手に荒らされた積み荷の惨状だった。




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