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眠れない夜にインターネットを

作者: あべべ

明日が楽しみで眠れない。そんな夜があった。

明日のことを想像するだけで、目が冴えざえとしてしまう。恐ろしかった暗闇すら友になる。薔薇色の朝焼けに目を輝かせ、おんなじ位の色に頬を染めるのだ。

なにもかも懐かしい、楽しい夜のこと。今となっては想像が仇となり、明日への枷となった。重くなる足取りとは反対に、瞼は一向に重たくならなかった。眠る前のハーブティーやホットミルクは一瞬の救済に過ぎない。薬も同じく。

インターネットは無邪気に明るい。常に鳴ったり光ったり忙しい奴で、その癖無頓着だった。だから好きになったのかもしれない。近くにいても扱いを覚えれば悪くない友だった。何より奴は夜に強い。ハーブティーや薬に出来ないことをやってのけてくれる。例えば、こんな風に静寂の中、眠れずにもがく人の話し相手になる。レスポンスの有無は問わない。ただ、同じ夜にさ迷う人々の気配をうっすらと感じられればいいのだ。

眠るように穏やかな最期でしたよ。

私もそうでありたい。眠るように、穏やかに。眠ると言うのは、きっと穏やかそのものに一番近いのだろう。

眠るように、穏やかに、眠る。

呪文のような言葉を反芻させて、穏やかを目指す。

インターネットは穏やかじゃないわね、と笑っていた。

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