第十七章 ファドリア
「えっ?まだ仲間はこれだけだったんですか。」
「うん、そう。これからどうするかアリス様と相談していて、それでさっき仲間作りを始めた。」
「普通独房ゲームを始める前に行動しませんか?」
「そんな暇もなかったんだよ。アリス様は女王と話してたようだし、チェシャ猫は出てくるし…。」
ラヴィは苦笑いをしていた。
かと思うとひらめいた、とでも言うようにぽんと手を合わせた。
「それならばチェシャ猫様を仲間に…。」
「はあ?!」
白兎の驚きっぷりにアリスもラヴィも少し後ずさりした。
「なんであいつなんか仲間にしなくちゃ…。とりあえずもう少し探してみよう。」
「はい。白兎さん。」「ええ。」
3人は賑わう街中を辺りを見回しながら歩いていた。
すると何者かがアリスの肩にぶつかった。
「きゃっ…。」
「わっ…ごめんよ譲ちゃん。」
「ったく…誰…。」
とぶつかった人の方を見ると何とも人が良さそうな笑顔の持ち主だ。
少し銀がかった髪は綺麗な白髪だ。
一瞬老人か…?と思ったが、相手は若者だということに気がついた。
普通に歩いているとは…この街の住民だろうか、いや「物」なのだろうか。
「…へぇ、こんな可愛い娘も参加してるんだぁ…?」
「…え?」
何を言っているのかアリスが聞こうをした時、男はどこに隠していたのか大剣をアリスに向けた。
…何、私殺される?…
そして切りかかってくるか、と思う間にアリスは自分も隠し持っていたナイフを手に持ち、
剣に切り付けられないように後退する。
そしてアリスを逃した剣が地面に突き刺さった時、
アリスは剣を持っている男の手に飛び乗り、跳んだ。
そしてそのまま宙から男目掛け、ナイフを投げた。
男にナイフが刺さったかと思うと男は先程地面に突き刺さっていた剣を抜き取り
それを盾代わりにした。
「あ…。」
アリスは地面に着地するまでに着地地点に男が走ってくる。
どうするのかと思っていると男はアリスが着地した途端、剣先をアリスの喉元へ向けた。
…今度こそ殺される…
…でも殺される前に…
……殺せ!!……
アリスはもう一本ナイフを手に持った…
が、アリスの手は男に蹴られてナイフが飛んでいってしまった。
「……!」
その光景にただ呆然と見ていることしかできないアリス。
そして何故このような戦いをしているというのに白兎達は止めも助けもしないのか。
…だが目だけ動かして周りを見てみると先程まで近くにいた2人はいない。
…一体どこへいった?…
…もしや私一人を残して行ってしまったというのか?…
「譲ちゃん、ここは怖〜い所なんだからそんなナイフじゃ役に立たないよ。
ここには僕よりも強い人がたっくさんいるんだからさ。」
と言って剣をどこかに仕舞い込み、アリスに手を差し伸べた。
「僕はファドリア、ファドでいいよ。」
「…ファ、ド?」
「そ、今のはちょっと君を試しただけさ。…というか君なんであんなに高く跳べんの?
すごいねぇ。誰に教わったの?もしかしてドゥカだったりする?」
そう言いながらファドはアリスを立たせる。
「僕、仲間を探していた所なんだ。何せゲームが始まる直前に来ちゃったもんでね?
君は?一人なの?僕と仲間にならない?」
「私…私は仲間がいる、後2人。」
「どこにいんの?」
ファドに問われ、アリスは答えられなかった。
「一緒に探す?」
「…………。」
この男を信用していいのかはわからなかったがとりあえず一人よりは心強い。
とりあえず今は…。
アリス+白兎+ラヴィ−(白兎+ラヴィ)+ファドリア=
↓
計2人
現在のアリスの仲間=ファドリア。
白兎、ラヴィ行方不明。
お、何か扱いやすいキャラ登場です。
最初はアリスに興味津々な男の子を書きたかったんです。
でも何だか書いてたら…
何でこの2人は戦ってんの?!
もう私(作者)はいくらストーリーの設定をしても無駄です。何やっても内容考えてたとおりには進みません(汗)
でもどうにかはなってるんでちょっと安心したり。
感想あったら何でもいいです!ください!(願)
もう今では
「お前、なんでこんなつまんねぇの書いてんだよ。」
ってのでもいいです!(いや、それはちょっと…。)