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第十五章 開始の挨拶

「アリス様、起きてください。」

白兎がアリスの肩を揺すった。

「ん…あぁ、白兎か。」

「アリス様、女王様が呼んでいます。」

「そう…今行く。」




さっきの夢は…




「…はー君…ちー…。」




一体…




アリスは白兎の方をちらりと見てベッドから降りた。

「何の用かしら。」

「独房ゲームでも始めるのでは?」

「…あぁ。」




…独房ゲーム…

昨日ルールなんかを教えてもらったけど、本当の所意味わかんない。

「生き残れば勝ち」なのになんで今まで生き残った人がいないのか…

それに今回独房ゲームに参加するのは何人なのか…




コンコン…




「入って。」

女王がドアに向かって声を発した。



ガチャ…




「お、やっと来たわね二人共。」

「何かお呼びでしょうか。」

「独房ゲームよ、人数が集まったの。

人数は前回と同じ58人。開始時刻は今日の午後一時…。」

「生き残った者には何かくれるの?」

アリスの言葉に女王はクククと笑った。

「何か欲しいの?生憎あなたにあげる物はないわ。

他の人にだったら『自由』をあげるけど…。」

「自由?」

「そう、ここの人間にはね、自由が無いのよ。

この檻の中でしか生きられないのだから。」

「檻…?」

「そうよ、この世界は檻。出ることはできないの。」

「………。」

「さぁ、用は済んだわ。朝食を食べて部屋にいなさい。呼びに行くまで好きにしてて。」






「なんでここの人達は自由じゃないの?」

アリスはパンを食べながら白兎に問う。

二人は別の部屋で朝食を取っていた。

ここに来てわかったことが二人以外にも人がたくさん来ていたということ。

使用人もラヴィしか昨日まで見ていなかったがこの部屋には十数人はいた。

「仕方ないのですよ。ここから出るには女王様の許可がないとダメなんです。」

「許可をもらえばいいんじゃないの?」

「そんなに容易く女王様はこの世界から外の世界へは出したりしませんよ。」

「…どうして?」

アリスは自分の後ろにいるフードを被った男の視線が気になった。

「それは…わかりません。」

「そう、もう十分食べたから部屋に戻りましょう。」

「…そうですね。」




「おい、そこのお嬢ちゃん。あんたも『独房ゲーム』に参加すんのかい?」




…さっきのフードの男だ…




「ええ、そうですけど。何か?」

「女の子一人じゃ危ないぜ。俺が一緒に行こう。」

「いえ、それには結構です。こちらの方が一緒にいてくださいますので。」

アリスはそう言って白兎の方に目配せした。

「あなたは誰ですか、いきなり話し掛けてきて…。」

「俺か?俺はファッドだ。俺も独房ゲームに参加するんだ、よろしく。」

そう言ってファッドが差し出した手を見てからアリスはもう一度ファッドの顔を見た。

…と言ってもファッドはフードを被っているので顎部分しか見えないが。

「私はアリス、こっちは白兎。お互い頑張りましょうね。それじゃあ。」

そう言って二人は部屋へと戻った。




「ちっ…。」




「今のは何だったの?」

「大方自分を相手の仲間にして信用させ、

相手が気を抜いた所を仕留めるつもりだったのでしょう。」

「あなたはどうなの。あなたは私に信用させて私を殺す気なんじゃないの?」

「そ、そんなことあるわけないだろ!!」

白兎がいきなり怒鳴ったのでアリスはぴたりと足を止めてしまった。

「俺はアリスと会える日をずっと待ち望んでいて、

アリスがここに来るまでに殺されてるんじゃないかって怯えてたんだぞ?!

それを…それを俺がアリスを殺す?馬鹿げたことを言うな!俺が、どれだけ…この日…を…。」

白兎は自分の口調の変化に気がついた。

「あ、えっと、その…今のは…何でしょうか。えぇ…。」

「どっちが本性よ。」

「………。」

「はぁ…まぁいいわ。あなたは私を殺さないってことはわかった。」

「………。」

「部屋に戻りましょう?」

アリスは無言の白兎と共に部屋へと向かった。






ガチャ…




「お帰り、アリス。」

「…チェシャ猫。」

そこにはベッドの上でナイフを磨いているチェシャ猫がいた。

「?!なんでお前がっ…ゴホンッ…。」

「おーおー、白兎君はいつもの口調で僕に食いかかってくることはできないんだね?

それはとても残念だ。本性を出さないで生きるって大変なことだねぇ。精々頑張って。」

チェシャ猫はそう言ってせせら笑うと次にアリスの方へと視線を向けた。

「やぁ、アリス。」

「昨日はどうも。…何でナイフなんか磨いてんのよ。」

「そりゃあ今日の為さ。っつっても使うのはこいつじゃないけどね。

これは俺愛用のナイフ。でも今日使うのはこっちの銃。」

「何、あんた独房ゲームに…。」

「参加するよ?」

チェシャ猫はベッドから降り、アリスへ近寄った。

アリスはチェシャ猫が一歩近づく度に一歩ずつ後退する。

…ふと壁に背中が当たった。

「この銃であんたを殺す為にね。」

と言って銃をアリスのこめかみにつきつける。

「………。」

「………。」

「…パンッ。」

「?!」

「なーんてね。俺がアリスを殺すわけないじゃん。俺が愛してる奴だぜ?

俺はこの銃でアリスを守るのさ。変な兎の代わりにね。」

白兎はチェシャ猫の一言に口元を引きつらせた。

「変な兎だとっ…?!そ、それに愛しっ…??!!」

「おーっと、ダメだよ?白兎君。アリスに自分の本性さらすことになっちゃうよぉ?」

「……っ!」

「さて、時間になったら使用人の誰か来るでしょう。俺は先に行ってるよ。じゃねお二人共。」



バタン…。




「…私を殺す気なの?あいつは…。」

「……………………………………。」

















チッチッチッチッチッチッチッ…









時刻は12時半を回ろうとしてる。


先程運ばれてきた昼食のパンとスープを口に運びながらアリスは時計を気にしていた。

「白兎、あなたって昔…。」



はー君って呼ばれてたの?と聞こうとしたがドアをノックする音に邪魔された。



ガチャ…



「失礼します。お二方、独房ゲームの準備が出来ました。どうぞ大広間へ。」

ラヴィではない別の使用人だった。








大広間に着くとたくさんの人間が仲間か何かと話をしていた。



「皆様方、ファリス女王のお言葉です!」

突然どこからかおじいさんの声が聞こえてきた。

その後すぐにドアの上の方だということに気がついた。

上の方には2階部分なのか部屋の窓があった。

そこの窓から女王の顔が見えた。

「え−…皆様、この度は『独房ゲーム』に参加されてありがとうございます。

これから独房ゲームの説明に入らせていただきます…。」


「そんなことどーでもいいだろ!みんなわかってんだからよ!」

とどこからか男の声がした…と思うか思わないかのうちに銃声が鳴り響いた。

「きゃああああああ!!!!!!!」

「うわあああ!!!」

…どうやら反発した男が銃で撃たれたようだ…

「私に反発しようなんて早いのよ。」

そう言った女王の手には煙の上がった銃が握られていた。

「ルールは前回までと同じ。生き残った者が勝ち、何をやってもいい。変更はないわ。

私からあんた達に一言…。たっぷり殺しあってきな!!!」

この言葉を開始の合図にアリス達が立っている床がゆがんだ。

「な、何?!」

「アリス様、もう独房ゲームは始まったんですよ。」




私達はまだ独房ゲームを知らなさ過ぎていた。





「落ちる…?!…きゃああああああああああ!!!!!!!!!」















「部屋って…これが部屋なの?!嘘でしょ…。」

アリスは今目の前に広がっている光景に唖然となった。



「アリス様、ここはもう部屋ではありません。独房ゲームの世界です。」


やっと、やっと…次章で独房ゲーム開始!!です!!!

あぁ、長かった。今思えば何で始めるまでに十四章も必要なのか、ということですよね…。

でも、とりあえずは良し。

ぶっちゃけここまで書くのに友人の言葉が痛かった…。

「おもしろく書け。」

と言われましても…

自己満足できればいいの!!!(笑)

では、次章から独房ゲームスタートです。

どうかこれからも読んでくださいね。

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