第十一章 声の主
キィ…
ドアが軋んだ。
「誰も…いないわね。」
アリスは部屋から出た。
廊下は薄暗く、蝋燭の明かりだけが頼りだった。
「まったく、ここの女王はどんな神経をしてるの?
それに、独房ゲームって。なんなのよ一体。」
アリスの問いに答える者はいなかった。
「…それに…さっきの声は…。」
アリスは疑問に思いながらも「声」が教えたとおりに道を進んでいった。
最後の角を曲がるとそこには一つのドアがあった。
「ここ、よね?」
ガチャ…
そこには女王がいた。
そしてアリスを見て
「あら、本当に来たわ。」
そう言った。
「まるで私が来ることわかってたみたいね?女王様。」
「だって知ってたもの。」
「…それは私の部屋に来た人があなたに言ったの?」
「あなたの部屋に来た人?さぁ、知らないわ。」
女王はクスクスと笑った。
「まぁいいわ。それより、独房ゲームのこと教えて。」
「もう教えたじゃない。ルールも、今までの死者数も。」
「そうじゃなくて…。」
「それ以外に教えることはあったかしら。」
女王の嫌な笑みは白兎が笑う時に似ていた。
「じゃあ、白兎のこと。教えて。」
「…あの子は…。
さぁ、知らないわ。」
「はぁっ?!」
「あの子については私は知らない。
あの子に付きまとってる使用人のラヴィもあの子のことは知らない。
知ってる人はこの世に二人。アリスと…後もう一人。」
「私はあいつのこと知らないから聞いてるのよ?
なのに私が知ってるなんて…何、私は記憶喪失にでもなったの?」
「さぁ?」
「それにもう一人って誰よ。」
「さぁ?」
「さぁって…あんたねぇ!答える気あるの?!」
「ないわ。さぁ、もう面倒くさくなったから部屋に戻って。」
「そんなの…!」
パチンと女王が指を鳴らした。
途端、アリスの後ろでドアが開いた。
「その子、部屋に戻してやって。」
女王はアリスの後ろにいる何者かに命令した。
アリスは何者かに手を引っ張られて部屋から出た。
「ちょ、ちょっとあんた誰よ!」
「誰?さぁ、答えてもアリスは俺のこと知らないよ。だから答えない。」
「知らないから聞くんでしょ?!それに…その声聞いたことあるわ。
…あ!さっき私の部屋に来た…!」
「あ、ばれた。」
何者かはアリスの方を見た。
性別は男、瞳はブルー紙の色はオレンジ、そして何とも特徴的なのが…
「ね、猫耳??」
猫の耳、この男の頭には猫の耳が生えていた。
…白兎にも兎の耳が生えてて、こいつにも猫の耳?!…
…おかしい、おかしすぎる。この世界はどうなっているの…
「おぅい、アリス。大丈夫か〜?放心状態だぞ。」
「き、気安くアリスって言うな!だいたい、あんたは誰!」
「俺?俺はチェシャ猫。あ、いや実際は知者猫。
でも名前っぽくないから『チェシャ猫』って呼んで。」
…何だそれ…
「アリスの周りにこのごろ白兎がうろついてるからちょーっとシンパイで。」
「心配って何よ。」
「えー?あぁ、俺白兎嫌いだから。だからアリスにつきまとってると気になるんだよね。」
「なんであんたに気にされなきゃいけないの。」
「なんでってそりゃあ…。」
アリスの頬に何かが当たった。
「アリスが好きなんだ〜。はい、部屋着いた。じゃね、俺も暇じゃないから。」
チェシャ猫はスキップしながらアリスから離れていった。
チェシャ猫が見えなくなった後、
アリスは頬に当たったものが唇だったということに気がついた。
「何だ…?!今のは!!!!」
わはははははは!!!!!(謎)
えぇと…何コレ恋愛??(笑)
いや別に最初からこうしようと思ってたわけではないのですが書いてたらこうなりました。(びっくりびっくり)
チェシャ猫く〜ん…まだキャラ設定が定まってない…。
なので出てくる度にバカになってたりアホになってたり(似たようなものだから)かもしれません。
アリスさん、思われてるねぇ…。
いや、この話どーゆう展開になるのかまだちょっと私自身よくわかってません。なるようになるとは思うのですが。
とまぁ、こんな感じに進んでおりますがごくたまに書けなくて挫折します…。どなたか感想下さい。待ってますので。