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9 若き皇帝の騎士たち。

 若き皇帝の騎士たち。


 フィスカはルドース王国を、ルドース帝国と名前をあらためた。それはアイギス王国を占領して、エルドラド帝国軍を正面から戦い勝利をした翌日のことだった。

 オミュロス教国の聖女はルドースの皇帝冠位を認めた。

 そして、同盟国であったアカストネロス聖国は、占領されたままでいるアイギス王国と一緒にルドース帝国の領土の一部として、統一されることになった。

 このことが、どれくらい歴史の裏ではじめから決まっていたことなのかはわからないけれど、それはほとんどすんなりとなんの抵抗もなく、行われた。

 そして、この知らせは北だけではなくて、南もふくめた世界全土を震撼させた。


 その日は、強い嵐の日だった。

 皇帝になったフィスカの野営陣地のルドース皇帝旗のたっているテントの中。そこには皇帝フィスカと、黒衣の大魔法使いアルカンノースがいる。

 二人はいつものように、親しい距離で、会話をして、葡萄酒のはいった銀の器をときおりその口元に運んでいる。

 そこに来客がくる。

 やってきたのは、世界最強の騎士と呼ばれている元アカストネロス聖騎士団の団長、であり、現、ルドース帝国黒騎士団長の黒騎士オクサ。

 そのとなりには一人の少女がいる。

 だけど、その少女は普通の少女ではない。全身が真っ白な少女は、とても珍しい神域出身の神獣族の少女で、名前をジャジャと言った。

「雨、強い」とジャジャは不機嫌な顔で言った。

 それから少しして、もう一人、嵐の中、来客がくる。

 やってきた『白い仮面をかぶっている黒いローブ』の人物は自分のために用意されている席に黙ったままで座った。

 皇帝のテントの中には五人の人物がいる。

 フィスカ。アルカンノース。 オクサ。ジャジャ。そして、白い仮面の人物。この五人がルドース帝国の若き皇帝の友であり、また剣であり、盾である人物たちだった。

 フィスカは用意されなかった、空白を見る。そこには本当なら、弟のセラムが座っているはずだった。

 しかし、しかたがないことだった。なにもかもが、自分の理想通りに流れていくわけではないのだから。

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