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 アイルロシエのお城から、塔までの道のりはそれほど危ないものではなかった。

 世界都市でもあり、中央都市でもある塔までの道はしっかりと整備されていたし、ルドース、アカストネロスとの戦線が広がっているのは西方と北方であり、オミュロス教国のある南方とアイルロシエのある東方には、戦火は広がっていなかったからだった。(今のところは)

 セラムたちはファミルに用意してもらった馬車にのって、東方街道と呼ばれている道を移動していた。

 馬車の中にはセラム、フィナ、アクアム、シエルがいる。

「セラム。お前の兄は英雄だな。本当にエルドラド帝国に勝利をして、世界を手にするかもしれない」とアイルロシエのお酒の入っている革袋の栓を抜いて、おいしそうに飲みながらシエルが言った。

「どういうことです?」と真面目な顔でセラムは言った。(セラムはいつも真面目な顔をしていた)

「簡単なことだよ。フィスカはエルドラド帝国軍に勝利した。このまま、塔にまで進行するだろう。そして、塔を落とすことができれば、帝国は終わりだ。北の世界にある六つの国のうち、ルドース、アカストネロス、アイギス、そして、エルドラド。四つを手に入れることになる。そうばればもちろん、アイルロシエも、そして、中立国ではあるが、オミュロス教国だって、ルドースにつく。そうなれば、そのまま北の世界の軍をまとめて、南の世界に攻め込むだろう。ようやく長い戦争が終わって、復興の時期にはいっている南のオルドラドは、勢いのあるルドースには、勝てないかもしれない。少なくともフィスカは勝てると考えている。実際に今の信じられないくらいの常勝ぶりを見ると、そうなると私も思う。そうなれば、つまり、……」

「つまり、なんですか?」とセラムは言う。

「世界征服だよ。北も南もふくめた世界史上初の統一帝国ができる。そして、セラム。君の兄は伝説になるんだよ。何千年と語り継がれる伝説にね」とにやっと笑ってシエルは言った。

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