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秘密のテラス
パールは黄金の髪を美しく三つ編みに束ねていた。
その美しさは女神と呼ばれているほどで、確かにパールはとても美しかった。
「テスラテッドの平原での戦いでは、ルドース軍を倒すことはできませんでした。我が軍は二十万の兵力がありました。騎士団長であるアゼルだけではなくて、名だたる歴戦の騎士たちが戦いには参加しました。でも、当時のルドース、アカストネロス連合軍の十二万の敵軍に勝つことができませんでした」とパールは言った。
緑溢れる美しい北大陸の風景を見渡すことができる塔の最上階にある、普段は隠されている、秘密のテラス。
今、この場所にはパールとセラムの二人だけしかいなかった。
「フィスカ・アス。あの若き皇帝はどうしてあそこまで強いのでしょう?」とパールは言った。
「フィスカは僕が討ちます。必ず討ち取ってみせます」とセラムは真っ直ぐな瞳をして、パールを見て言った。
そんなセラムを見て、パールはくすっと、今日、初めて、素直な顔で年相応の少女のように笑った。
先代の皇帝が亡くなって、エルドラド帝国の帝位を継いだ女帝は、まだとても若い十八歳の少女だった。
そこに騎士団長のアゼルがやってきた。
「セラム。準備が整った。作戦会議をするので、こちらの部屋に来て欲しい」とアゼルは言った。
「はい。わかりました」
そう言って、セラムは豪華な白い椅子から立ち上がると、パールに一礼をして、アゼルについてテラスを出て行った。
パールはそんなセラムの後ろ姿を、じっと、不安そうな瞳で見つめていた。




