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チビとネコの大冒険  作者: 大野 錦


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6/8

その6 チビとネコ、またどうぶつえんへ?

その6です。よろしくお願いします。


 チビとネコはふわふわと東京(とうきょう)とその(ちか)くをとびまわっています。


 ゆうえんちなどは、(のり)ものに乗れないので、あまり(たの)しめませんでしたが、さまざまなパレードなどは、()ていて楽しめました。


 えいがかんに(はい)って、えいがを見ましたが、チビもネコもあまり物語(ものがたり)のないようがよくわかりませんでした。


 みんなは、わかっていると(おも)いますが、チビとネコはこれらの会場(かいじょう)へ、お(かね)をはらわずに入っているよ。

 けっしてマネをしないでね!


 デパートに()っても、()りものはさわれません。

 レストランに行っても、()べものや()みものは、そもそもくねひとはひつようとしません。


 人間(にんげん)たちが、いろいろなところ行っては、さまざまなことを楽しむことを、チビとネコは見てきました。

 こうかなものを()っては、よろこんでウキウキしたり。

 おいしい食べものや飲みものをいただいては、しあわせそうにニコニコしたり。



「人間たちはいろいろと楽しんでいるんだな。でも、これだけの楽しさをあたえている人たちすべてを(さが)すのは、たいへんだぞ」


「こうほしゃがいっぱいになっちゃいますね」


 チビとネコは、こういったところで、はたらく人たちや、さらにそのさきのはたらく人たちを(おも)い、あたまがぐるぐるしています。


 おいしい食べものだけでも、それをりょうりする人、しょくざいを作る人、それらをはこぶ人……。

 レストランで食べるひとつのおいしいものは、このように(おお)くの人間がかかわっています。


 チビとネコは、こうした人間の生活(せいかつ)のスケールの(おお)きさにビックリです。

 なにしろ、くねひとたちが()異世界(いせかい)では、ただ(みず)たまりでこの世界を見ているだけですから。


 ネコが()いました。


「そして、多くのよろこんでいる人間を、たずさわった人間が見たり()かされたりたりして、たずさわった人間も、うれしいのではないでしょうか?」


 ふわふわとうき、ねそべったしせいで、両手(りょうて)であたまのうしろをあてている、チビが言います。


「人間の世界は『やさしい人』だらけ? でもおまえはすてられていたよな。だからわるいヤツもいる。そういったわるいヤツをこらしめるのが、『やさしい人』なのかなぁ?」


 ふと、チビが(した)をむくと、あるそれなりの大きな(いえ)に、どうぶつたちがはこびこまれていました。


「なんだあれ? 行ってみよう!」



 家の1(かい)にはいくつものケージの(なか)(いぬ)(ねこ)がいます。

 なんにんもの人間がこれらのどうぶつのせわをしています。


 チビととネコはそれを見て、(ちい)さいどうぶつえんなのかな、と思いました。


「こんにちは~」


 ある人間の家族(かぞく)がこの家にきました。


 この家族はあるケージの犬。それもけっこう大きな犬のケージにいます。


飼育場所(しいくばしょ)と、さんぽのお時間(じかん)は、だいじょうぶですし、ご家族にもなついていますね。譲渡(じょうと)問題(もんだい)ありません」


「わかりました。ではこの()をひきとります」


 すると、この犬はケージから()されて、この家族といっしょに出て行きました。


 チビとネコはこの家の中で(おこな)われている、どうぶつと人間のやりとりをふしぎに思いました。


 ふしぎなので、チビとネコはこのどうぶつえんのような家にずっといました。なんにちも。

 そして、この家で行われていることを理解(りかい)しました。



「ここはすてられたり、飼育がむずかしいどうぶつを保護(ほご)する場所なのか。そして、『さとおや』という新しく家族にむかえる人間が()るところなんだ」


「はじめに見たのは保護されたどうぶつを()れていたのですね」


 そうです。ここは犬と猫の保護施設(しせつ)

 チビとネコは、ここをどうぶつえんだと思ったのですが、どうぶつを保護し、あらたな()う人たちをむかえる場所だったのです。


「保護して、『さとおや』が()まるまで、ここのスタッフさんたちがめんどうを見ているんですね。チビさん、この人たちこそ『やさしい人』ではないでしょうか?」


 くねひとになる(まえ)にすてられていた、ネコが言います。


「そうだが、ひきとる『さとおや』さんたちも『やさしい人』だぞ。これはすごいこまった」


 チビは「さとおや」が決まるまで、めんどうをするこの家のスタッフさんたちの苦労(くろう)と、むかえる人間のやさしさを思って言います。


「そうですね。どちらもすばらしいですね。ボクもだれが1(ばん)『やさしい人』かわかりません」


 さらにこまったチビとネコ。

 さて、(かれ)らの「やさしい人」探しの冒険(ぼうけん)は、どうなるのでしょうか?


 それは次回(じかい)のお()のしみ!

その7へ続きます。

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