その5 チビとネコのかんさつ
その5です。よろしくお願いします。
1
チビとネコがいるどうぶつえんがかいじょうしました。
おもに、小さいこどもがいる家族たちが入っていきます。
チビとネコはそれぞれのどうぶつのいる家を見ててビックリ。
中の部屋から、外から見える場所へと、出されているのです。
それぞれのどうぶつに合った広さに出て、水がひつようなどうぶつは水の中にざぶざぶと入っていきます。
「どうぶつごとに飼っている人たちがちがうのか?」
「そうみたいですね。これだけを1人でめんどうはできないでしょうし……」
チビとネコは、どうぶつたちを外に出す飼育員さんたちを見て、そう思うのでした。
2匹がこのように感想を言いあっていると、なにやらガヤガヤと。
そう、このどうぶつえんのらいじょうしゃたちがあらわれたのです。
2
「なんだぁ? また人間たちがいっぱい来たぞ」
「なにをしに来たんでしょうかね?」
チビとネコは人間たちをかんさつします。
どうも、さきほどチビとネコがいろいろなどうぶつを見て楽しんだように、人間たちもいろいろなどうぶつを見て楽しんでいるようです。
「人間はどうぶつを飼うよりも、見て楽しむのが好きなのか?」
「ゾウさんやキリンさんは、飼うのがたいへんですからね」
チビはうでをくんで考えこみます。
「う~ん。これはサンタさんのパーティをとりしきっていた、あの女の人もすごいけど、こっちのほうがすごいかもな……」
「でも、ここをとりしきっている人って、だれでしょう?」
「あのどうぶつたちを出していた人間たちには、きっとオレたちみたいな『お館様』にあたる人間がいるはずだ。その人間を探そう」
こうして、チビとネコはどうぶつえんの1番エラい人間を探しまわるのでした。
3
「あれ? 人間たちとどうぶつたちがいっしょに遊んでいるぞ?」
チビとネコは、どうぶつのふれあいコーナーを見つけたようです。
こどもたちが飼育員さんからいろいろとやさしく教えられながら、おもに小さいどうぶつとふれあっています。
チビはこの飼育員さんを見てかくしんしたようです。
「ここの場所は、とくべつな感じがする! きっとこの人が『お館様』にあたる人間だ!」
「たしかに、ほかのところでは、人間たちはどうぶつを、はなれて見ているだけですもんね」
チビはまたも考えこみます。
「よしっ! この人を1番めのこうほにして、きのうの女の人は2番めのこうほにしよう!」
チビはさまざまなこうほの人間たちを見つけて、24日までに「やさしい人」のさいしゅうけっかを出すことに決めました。
「では、チビさん。次のこうほの人間を探しに行きますか?」
「そうだな。でもその前に、オレはあのペンギンさんたちが泳いでいるところが見たい!」
「ボクはパンダさんが見たいです! パンダさんのところって、すごい人間だらけですよ!」
こうして、この1日いっぱいを、チビとネコはどうぶつえんで楽しみました。
満足なチビとネコ。
「バイバイ、いろいろなどうぶつさんたち」
どうぶつえんをあとにして、また空へとんで行ったチビとネコ。
はたして、さらなる「やさしい人」のこうほしゃを、2匹は見つけることができるのか?
それは次回のお楽のしみ!
その6へ続きます。