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チビとネコの大冒険  作者: 大野 錦


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1/8

その1 こまったチビとネコ

あらすじにも書いていますが、冬の童話祭2021の「チビとネコ」の続編みたいな感じです。

この作品を読まなくても、問題ありませんが、できたら読んでください。m(__)m

はじめに


 これはチビとネコとよばれるオニともアクマみたいなヘンテコなコンビが冒険(ぼうけん)する(はなし)だよ。


 チビとネコについては、まえに()いた物語(ものがたり)をよろしね!


 では、チビとネコの冒険話のスタートです!



 ここはどこでしょう?


 魔界(まかい)でしょうか? 妖精界(ようせいかい)とも、もののけが()むところといっていいかもしれません。


 ようするに(わたし)たち人間(にんげん)が、ふみ()れることができない異世界(いせかい)だと(おも)ってください。


 そこには「お館様(やかたさま)」といわれる老人(ろうじん)と、「くねひと」という異形(いぎょう)のものたちが住んでいました。


 くねひとたちはたくさんいます。(かれ)らはみなおなじ姿(すがた)をしています。


 まず(はだ)灰色(はいいろ)で、()ているのは(ぬの)いちまいの、さらにこい灰色です。


 (みみ)()がっていて、()上下(じょうげ)犬歯(けんし)(くち)からはみ()るほど。


 そして、きわめつきはあたまの(ひたい)から、2つの(くろ)(つの)()えています。


 くねひとは悪魔(あくま)とも(おに)ともいえる姿なのです。


 彼らの役割(やくわり)は、毎年(まいとし)の12(がつ)25(にち)(よる)までに、お館様に私たちの世界で「やさしい(ひと)」をそれぞれ()がしだし、紹介(しょうかい)することです。


 そしてお館様がその(なか)から1(ばん)だと思もった人へ、その年に最高(さいこう)のプレゼントを()くるのです。


 くねひとたちはどうやって私たち人間の世界を見て、「やさしい人」を探しているのでしょうか?

 それはこの異世界で彼らは、私たちの世界を()ることができるからです。


 くねひとたちは(あさ)から(よる)おそくまで、いえ、彼らは(ねむ)ることがないので、ずっと私たちの世界を見ることができるのです。


 ごはんもお(みず)もとらなくても()きていけます。

 くねひとが悪魔とも鬼とも()わるれのは当然(とうぜん)ですね。



 さて、ここに2(ひき)のくねひとたちがいました。


 くねひとには私たちのような名前(なまえ)がありません。彼らは(ほか)のくねひとから「チビ」と「ネコ」と()ばれていました。


 このようにくねひとたちは自分(じぶん)たちを区別(くべつ)するために、いろいろな呼び名で言いあっていました。


 (おお)きければ「デカ」。耳の尖がりが(とく)にすごいのは「ミミ」。(かお)にホクロがあるものは「ホクロ」といったぐあいです。


 チビはそのとおり、ちびなのですが、ネコはこのチビより(ちい)さいです。

 チビのあとにくねひとになったので、ネコと言われています。


 ネコは耳がネコのようになっていて、顔もちょっとネコっぽいです。


 この異世界には(かぞ)えきれないほどの水たまりがあります。

 この水たまりに私たちの世界のいろいろなところが(うつ)っているのです。


 チビとネコはその中のひとつの水たまりをじっと見ています。


「あっ、この人すごいぞ! すごいたくさんのお(かね)をきふしている!」


 ネコが水たまりに映ったその人を見て言いました。


「チビさん。(まえ)もダメだったでしょう。それだと『やさしい人』はお金をたくさん()っている人ってことになるでしょう」



「う~ん。たしかになぁ。でも『やさしい人』って、どんな人なんだろう?」


 チビはネコを(たす)けたことがあります。そのことを思いだしたチビはネコに言います。


「ひょっとして、『やさしい人』って、(いのち)を助ける人なのかなぁ?」


「でも、きふも命を助けることにつながっていますよ」


「お金ではない、もっと別の助けが、お館様のねがいなんだよ。きっと」

 

 チビは(かんが)えこみます。


「……よしっ! また現世(げんせ)()くぞ! ネコ、おまえも()い!」


「えっ、ボクたちって、現世では見えないし、(なに)もさわることができないんでしょう?」


「いいから、行くぞ! おまえを助けたとき、オレが『やさしい人』に(えら)ばれたからな!」


 チビは水たまりを(ゆび)でなぞります。

 すると、映っている私たちの世界が()わるのです。

 なんか、スマホみたいですね。 


 こうして、チビとネコは(えら)んだ映っている、水たまりの中に(はい)って、私たちの世界に()るのでした。


 ちょうど12(がつ)のはじめごろです。


 さて、チビとネコは「やさしい人」を見つけることができるのでしょうか?


 それは次回(じかい)のお(たの)しみ!

その2へ続きます。

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【短編、その他】

【春夏秋冬の公式企画集】

【大海の騎兵隊(本編と外伝)】

【江戸怪奇譚集】
― 新着の感想 ―
先生ってほんとなんでも書けちゃうんですね。 ちょっと頭の中をのぞいてみたくなりますよ。 やっぱりライプニッツの伝記くらい、 余裕なんじゃないですか?(しつこい) 童話とか鬼とかってなんなんだろって…
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