先輩
会社の飲み会の後だった。
そのあといつも仲良くしてもらっている先輩からふたりで飲みに行こうよと言われた。
先輩は木本さん。
俺より3つ上で同じく結婚して子供が1人いて家を買っている。
違うのは奥さんは働いていることだった。
話しは愚痴がメインだった。
さつきと喧嘩が多いことと
やっぱりお金がなくてこの先心配と言うことも話した。
すると先輩は
「家だって赤字だよ。子供の習い事もお金かかるし毎月不動産も投資してるんだよね」
とのことだった。
赤字って言っても奥さん働いているから大丈夫なんだろうと思った。
不動産投資ってやっぱり知識とお金がないとできなそうだし俺には無縁だろうな…。
それから数ヶ月後…特に先輩とは会社ですれ違っては挨拶をするだけだったが休みの日、突然LINEが入った。
忘れもしない、買い物行こうと家族3人ででかけたところ、店についた時には湊斗は寝てしまい、さつきは湊斗見ててと1人で店に入っていった時だった。
見ててって言われても寝てるし楽に運転席を倒してスマホゲームでもしようとしていると、
「資産形成に興味はない?」
とのことだった。
答えはNOである。
でも信頼している木本さんにあからさまにそう言うのも失礼だと思ったので
「月々の投資に回すお金がないんですよね」
と、断ったつもりだった。
すると
「いや0円から始められる資産形成があるんだよ」
と言う。
それなら…と思いつつも儲けも微々たるものなんだろうなと思うと木本さんは信じられないことを続けた。
「上手く行けば2、3年後にフェラーリ買えるよ」
俺は一気に興味が出た。
にわかには信じられない話だが信頼する木本さんが俺を騙すわけがない。
「詳しく聞かせてもらっていいですか」