番外編
この度はありがとうございました。お礼になるか迷惑になるか分かりませんがササッと書いてみました。見てくださっていると嬉しいです。
月乃さんと枢木さんがボクの学校に転校してくるという衝撃的な出来事があった日。
今後の身バレ防止の作戦会議を開いて明久の知恵を借りたいところだけど、生憎と今日は時間に余裕があるわけではなく、放課後には魔法少女としての仕事が待ち受けていた。
月乃さんと枢木さんは薫……男としてのボクとの出会いをボクに話してきたのだけど、幸いなことに怪しんでいる様子は見られなかった。
見回りの仕事も終わり、このまま何事もなく一日が終わるかと思っていたところに、
「珍しいよね。仕事終わりにカナメさんがわたし達を呼び出すなんて」
「つまらない話は勘弁して欲しいわね。こっちはさっさと帰って眠りたいというのに」
「あんまり長くならないといいですね」
現在、ボク達はアジトの中のカナメさんの部屋を目指して進んでいる。
無駄に広いアジトを歩く枢木さんの足取りは疲労でげんなりしている。
さて、カナメさんの部屋に到着。
月乃さんがノックをし、
「すみませーん。夜神班です」
『はいはーい。入ってー』
ドア越しにカナメさんの了承を得て、ボク達は中に入る。
「お仕事お疲れ様。座って座って」
ボク達は遠慮なく来客用のソファに腰掛ける。
カナメさんはグラスに冷たいお茶を注ぐとボク達の前に置いてくれる。
いただきます。 ……おいしい。
お茶を一口いただいてから早速、月乃さんが話を切り出してくれる。
「それでカナメさん。お話があるってことでしたけど聞かせてもらえますか?」
「ふっふっふ。よくぞ聞いてくれたわ」
カナメさんは芝居がかった口調で答える。
「なんと……この作品に初めてコメントが届いたのよ!」
「「おぉ……!」」
すごい!喜ばしいことだ!
「ふん、それで?何て書いてあったのかしら?」
枢木さんが興味の無いフリを装って続きを催促する。
「まずは一言目ね。『とても面白かったです!』……ですって!」
パチパチパチ。
ボクと月乃さんは揃って拍手をした。
まさかボク達のお話を喜んでくれる人がいるなんて……!感激だ!
ボクと月乃さん、カナメさんが喜びに打ち震える中、
「……?枢木さん?」
何やら枢木さんが不服そうな顔をしていた。やがてポツリと、
「ふん、何よ……面白かったって……」
え……? 何が不満なの?
「こちとら、この前は死ぬ程恐い思いをしながら戦ったのよ!?おしっこチビらせながら戦ってたの!それを何よ!面白かったって!」
「……小雪、漏らしてたの?」
「心のおしっこよ!」
「心のおしっこって何!?」
心のおしっことな…………よく考えても分かりそうになかった。
「まあまあ。善意で言ってくれてるんだから斜に構えたこと言わないの」
「むぅ……」
カナメさんの言葉に、ひとまず引き下がってくれる枢木さん。
「それともう一言あるわ。『展開が脳筋すぎて笑っちゃいますねw』……ですって」
脳筋……?
「「「………………」」」
三人の視線がボクに集中していた。
「違うんです」
「違わないじゃない」
ボクの否定を枢木さんがバッサリと切ってくる。
しかしボクは構わず否定を続ける。
「いいですか?ボクは何も考えずに暴れているわけじゃないんです。リスクマネジメントや効率などの知的なあれこれを考えた結果、力でねじ伏せるのが一番手っ取り早いという結論に至ったわけなんです」
「脳筋じゃない」
……ダメだったか。
「まあまあ。カオリのそういう脳……勇ましいところにわたし達は助けられたわけだし?カオリも否定的にならないでよ」
「月乃さん……」
あんたも今脳筋って言おうとしたな。
……まあ事実だからいいけど。
「……何にせよ、嬉しいものですね。こうしてコメントでボク達のことを触れてくれるなんて」
「そうだね。貴重な経験だね」
「……ふん。余計なお世話よ」
「と言って照れ隠しをする小雪なのでした」
「余計なお世話よ!」
月乃さんの言ったように、枢木さんがちょっと照れた顔してる。 なんだ。本当は嬉しかったのか。
あ、そうだ。一応確認しておかないと。
「カナメさん。一応確認なんですけど、これコメントくれた人に許可取ってますか?」
「え……?」
…………え?
「「「………………」」」
「と、匿名だし!問題無いんじゃないかしら!?」
問題……無いのかなぁ……? 怪しいと思うんだけど……
「ま、何か問題があったら責任は全部カナメにあるってことでいいんじゃないかしら?」
「……ですね」
「あはは……」
「ちょ、ちょっと!大丈夫でしょ!?大丈夫よね!?」
カナメさんが急に不安そうに問いかけてきた。
その問いかけにはノーコメントということで。
また機会がありましたらお願いします。




