お手伝い 洗濯編
「すみません。班長さんいますか?」
「おう!来たな、お前たち!」
「久しぶり〜。シュタルクさん。」
「久しぶりだな。元気にやってるか?」
「はい。おかげさまで。シュタルクさんもお元気そうで。」
「あぁ、元気にやってるよ。」
「なぁ、シュタルク。休日はないのか?また、ゲームしようぜ!」
「分かった。今度の休み遊ぼうな。」
「やったー!」
この狼っぽいモフモフの方は、三銃士と親しい人なのかな?全然私より大きいし、なんか貫禄あるし。
「んで、この方がお手伝いをしたいプリンセスか。」
「はっ、はい。そうです。よろしくお願いします。」
ひぇっ、ギロって見られた。やばい。威圧がすごい。心臓、ギュってなった。
「シュタルクさん、おやめください。エトワール様が驚いてます。」
「あっ、悪りぃ悪りぃ。ついな。」
「やーい。エトワール、ビビっやんの。」
「仕方ないじゃん。ビビるよ、普通。」
「シュタルクさん、前まで前線で戦ってたしね。」
「やめろって。前つっても、本当に随分と昔だからな。」
「そうだったんですか。シュタルクさんは、3人と仲が良さそうですね。どんな関係なんですか?」
「こいつらの師匠ってところかな。」
「シュタルクさん、容赦ないんだよ。模擬試合とかでも、すぐに僕たちのことボロボロに負かすし。」
「そうです。あの時が1番辛かったです。」
「でもよ、まだめっちゃ強いのにやめちゃったんだぜ。全然戦い足りねぇ。」
「ははっ。俺はもう年だし、お前たちの方が強くなって、教えることも無くなったしな。」
「そんなことないよ〜。」
なんだこれは。イケおじ師匠と3人の弟子かよ〜。萌えるわ〜。
「お前たち、今日はお喋りしに来たんじゃないんだろ。」
「そうだった!ここでは、何をすればいいんですか?」
「ここでは洗濯物たたみだな。単純な作業だけど、量が多い。だから、手伝ってもらえたら、ありがたいよ。」
「はい!分かりました!」
「これで終わりだな。ありがとよ、お前たち。」
「終わった〜。本当に量が多いですね。」
疲れた〜。こんなに洗濯物たたんだの初めてだわ。一人暮らしで洗濯物ためても、せいぜい7日分だもんな。比べものにならないや。
「見ろよ!この山!全部俺がたたんだやつ!」
「私のも!」
「僕のも!」
「はいはい、みんなすごいな。嬢ちゃんも手慣れたものだな。てっきり、もっと手まどると思ってたよ。」
「あはは、ありがとうございます。」
洗濯物たたみは、一人暮らしの必須要項だからなぁ。ちゃんとやらないと、タンスがパンパンになっちゃうもんな。
「本当だよ。お姫様って器用だよね。お城でぬくぬくに育ってるかと思ってたよ。」
「確かに。手伝いたいって言った時ビックリしたよ。」
「いや、まぁ、他がどうかは知らないよ。私だけかもしれないし。」
中身、一般人だしな。これくらいできないとね。
「おっ、もうすぐで夕食の時間だな。お前たちは嬢ちゃんを部屋まで送ってやれ。」
「「「はい」」」
「またな。時間あったら、また手伝ってくれ。」
「はい。いつでも頼ってください!」
今日働いたという充足感を得て、明日立派に働くため私たちは夕食の場へと向かった。