第六十九章 インベーダーゲームオーバー
インベーダー捜索開始から数日後、奴の正確には宇宙人の目撃情報が出た。だが、私は拘束されてしまっていた。我々の命を気にしなくなってからすぐに私の肉体は拘束された。だが、すぐ研究所に連行といかなかったのは運がいい。恐らくエイリアンの探し方の効率が私がいると上がるため、すべてのエイリアンの回収及び抹殺が終了後に連行するつもりだろう。だが、構わない。それでもこの星を守れるならば。あの少女の星を守れるならば。
探索に出かける人間たちが消えたあと、拘束を外してエイリアン探しに向かう。後ろから怒号と発砲音が聞こえるが、関係ない。私の使命はインベーダーという危険な同胞を始末することだった。
「それでここまで来たのか。」インベーダーは不敵にほほ笑んだ。遠くで爆発の音がする。どうやら罠に人間たちが掛かってしまったらしい。「血を流して何になる?」その問いかけにインベーダーは不敵に笑って「なぜ許すことができる?」と返してきた。そのにらみ合いから数刻経たないうち、気づけば殴り合いに変わっていた。
叫び声をあげる奴に義手を打ち込むだが、奴も負けずと、私の顔を殴打してくる。遠方から聞こえる爆発音なのか、目の前のこいつを殴りつける音なのか曖昧になったころ、手足の感覚も鈍くなってきた。痛みではなく衝撃が肉体を襲う、感覚は麻痺し骨は折れて、それでも殴り合いは止まらなかった。「なんであの子を殺したんだ!」私の問いかけに奴は息も絶え絶えに答える。「どの子だ。言ってみろ!たくさん殺してきたんだ、覚えちゃいない。」と
奇妙な光景だった。愛嬌のある宇宙人が互いに殴り合っている。我々は引き金を引かなかった。人間同士の決闘のような厳かさをそこに感じたからである。一匹は逃げ出した我々と来ていた個体だ。
最後の強い一撃が敵に入ったその場に敵は倒れ、そこで息絶えた。生存反応が一つ消え、もう一匹も立ち尽くすだけになった瞬間、その場に会った緊張の糸が一気に緩み、私たちは流れ込んで対象を確保した。
宇宙人残り3人 野次馬70億人
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