アウグス・リー・アーリーとの出会い
千文字制限悪役令嬢もの第四弾です。
『投稿をする』『前書きのネタも考える』
両方やらなくちゃあならないってのが「即時投稿」のつらいところだな
覚悟はいいか? オレはできてる
この小説を「先っちょ」から「ケツ」までとことん読むぜッ!って感じでどうぞ。
「ウィニーさん、少々よろしい?」
「あ、はい……」
むむ、不穏な空気。あれは伯爵家令嬢アウグス・リー・アーリー。選民思想に凝り固まった平民嫌い。
……ウィニーと会う前は私もそうだったけど。
「貴女……」
「テンペルド様! 今日もお美しい!」
「高貴ですわ! 流石公爵家令嬢!」
アウグスの取り巻き! 時間を稼がせてウィニーに何を!?
「……通してくださる?」
「あの、テンペルド様? 少しお話を……」
「公爵家令嬢の私に『二度』言わせるの?」
顔を引きつらせて道を開ける取り巻き達。昔はこれやると気分良かったけど、今は全然ね。それよりウィニーを助けなきゃ!
どこ!? そう遠くには行ってないはず……!
「……惑なのが分からない!?」
いた! 階段下の突き当たり! 一気に駆け寄る!
「何をしているの?」
「て、テンペルド様!? これは、その……」
アウグスの陰で怯えるウィニー!
「ち、違うのです! この平民がテンペルド様にベタベタしているので、テンペルド様のご迷惑を考えろ、と話を……」
「ウィニーを迷惑に思うと、いつ誰が言ったのかしら?」
「い、いえ、あの、口に出せないお気持ちを……」
「私は」
言い訳を遮る。
「この学園に真摯に通う皆に敬意を払うべきだと思っています。規範たる公爵家令嬢として」
「!」
「アウグス、貴女にはどうかしらね?」
「も、申し訳、申し訳ありません!」
泣き崩れるアウグス。あー、公爵家権限は効き過ぎちゃうのが嫌よ。
「ウィニー、大丈夫?」
「はい、大丈夫、です……」
気丈に答えるけど、膝が笑ってる。
「怖かった?」
「……はい。モリシャス様のご迷惑かと思った時は……」
怖かったのそこ!? 可愛過ぎ!
「でも、モリシャス様が仰るまでは、自分から離れるような、信頼を裏切るような真似はすまいと誓っていました」
……強い子。余計なお世話だったかな。
「アウグス。足止めの子を責めないでね。多分どれだけ時間があっても、ウィニーは折れなかったわ」
「……はい」
「それと」
私はしゃがんで、アウグスと視線を合わせる。
「一緒に勉強しましょ」
「……え?」
アウグスがぽかんとする。あら可愛い。眉間にシワより余程良いわ。
「ウィニーをちゃんと知ってあげて。その上での好き嫌いまでは強要しないから」
この先ハンスやお兄様と結ばれた時、味方は多い方が良いし。
「お慈悲を、ありがとう、ございます……!」
また泣くアウグス。やっぱり私じゃ、笑顔一つで人を変えるウィニーみたいには出来ないわね。
読了ありがとうございました。
はい、二人目の悪役令嬢も死にました。グエー。
ほのぼのタグがあるから仕方ないのです。
次はご待望の男性キャラ追加です。しかもショタっ子。第五話、お楽しみに。